監督ピエール・モレルと脚本・制作リュック・ベッソンによる、2009年に日本で公開されたサスペンス・アクションムービー!原題は「Taken」ですが、日本では誘拐事件において生存が見込まれる猶予が96時間であることから「96時間」というタイトルになっています。
目に入れても痛くないたった1人の愛娘を誘拐された元CIA工作員のブライアン(リーアム・ニーソン)が些細な証拠から犯人を突き止め、あの手この手で追い込んでいく迫真の演技にご注目!続編「96時間/リベンジ」と「96時間/レクイエム」もございますので、合わせて観てみてください♪
娘との関係を取り戻すために
元CIA工作員のブライアンは仕事と家庭の両立が出来ず妻レノーアと離婚。
その後レノーアは裕福なスチュアートと再婚し、17歳の1人娘キムと3人で豪邸に暮らしていた。ブライアンはキムとの関係を取り戻すべく一線を退き、質素なアパートに住みながら警護などの仕事をしている。
ある日、かつての仲間である元CIAの友人たちがブライアンのアパートを訪ねてきた。
彼らは自分達が請け負った要人警護の仕事を一緒にしないかとブライアンに持ちかけ、ブライアンは二つ返事でOKする。
翌日、ブライアンが人気歌手シーラのボディガードをしている時、物陰に隠れていた男がナイフを持って彼女に襲い掛かってきたが見事救出。シーラはお礼として歌手になりたいというキムの手助けを申し出て、彼女のマネージャーとボイストレーナーの連絡先が書かれた名刺をブライアンに渡した。
父親としての葛藤
その翌日、17歳になったキムにランチに誘われ店で待っていると、キムと一緒にレノーアもやってきた。キムに昨日のシーラの件を伝えようと思っていたブライアンだったが、キムが友達と2人きりでパリへ旅行に行きたいと言い出し、未成年における海外渡航への同意書にサインを求めてきた。
キムは親友のアマンダからパリにある従妹の家へ行かないかと誘われており、美術館なども巡る予定だと言う。ブライアンはティーンエイジャー2人でパリ旅行は危険だと、保護者の同伴無しでの海外旅行を認めなかった。キムはすっかり拗ねて家に帰ってしまう。
さすがにこのままではマズいと再びキムの元を訪ね、宿泊先の住所と電話番号・到着した時と寝る前に毎晩電話することを条件にパリ行きを許可し、自分の連絡先を登録した海外使用の携帯を渡した。キムは大興奮。
そして当日、ブライアンはキムを空港まで送り届け、車のトランクから荷物をおろす。キムはアマンダを見つけ走り出した。その時、キムの旅行日程プランを目にしたブライアン。そこにはヨーロッパ各国への旅計画が記されていた。
驚いたブライアンがレノーアを問い詰めると、キムは美術館巡りではなくロックバンド「U2」のヨーロッパツアーに参加するのが目的だと言う。話が違うと怒るブライアンだったが、心配をよそにキムは出発してしまった。
狙われた2人
パリに着きタクシー乗り場でタクシーを待つキムとアマンダ。記念に携帯で写真を撮っていると、そこにピーターと名乗る若い青年が2人の写真を撮ってあげると話しかけてきた。そしてタクシー代が高いからシェアして乗らないかと提案され、イケメンの彼に一目ぼれしたアマンダは即承諾。そのままタクシーでアマンダの従妹の家に向かった。
家に到着すると、ピーターが今夜学校でパーティーがあるから一緒に来ないかと誘ってくる。アマンダは行く気満々でOKした。後で迎えに来るとピーターは言い、3人は家の門の前で別れた。
そして実はアマンダの従妹はスペインに旅行中であることが判明する。楽観的なアマンダと心配しているキム。その頃、ブライアンはとっくに空港に着いてるはずなのに連絡して来ないキムを心配し電話をかけていた。
ブライアンからの着信に気づいたキムは電話に出る為にバスルームに行く。ブライアンと話しながらふとアマンダの居るリビングに目をやると、黒ずくめの男たちが入って来ているのが目に入った。そのまま男たちはアマンダを連れ去る。
怯えるキム。空港から家に着くまでの間に誰かと接触したか聞かれピーターのことを話す。ブライアンはキムに寝室のベッドの下に隠れるよう指示する。通話の録音を開始したブライアン。動揺するキムにここからが肝心だからよく聞けと言う。 お前は捕まる。連れ去られるまでの10秒程の時間が鍵になる。その時、犯人の特徴を何でもいいから叫べと指示した。
誘拐された娘
近づいてくる足跡。ついに寝室まで男たちが来てしまった。キムは息を押し殺し携帯を床に置く。犯人は外国語を話していた。すると突如キムの悲鳴が響き渡った。見つかったキムはベッドの下から引きずり出され、泣き叫びながら「髭!180センチ!右手にタトゥー!月と星!」と男たちの特徴を必死に伝えた。キムの声が聞こえなくなりしばしの沈黙。キムの携帯を拾った犯人にブライアンは怒りを必死に堪えて言う。
俺には長年仕事で身に付けた高度で専門的な力がある。娘を解放するなら見逃してやる。解放しないならお前を必ず見つけ出して殺す、と。それを聞いた男は「頑張れ」と言い残し電話を切った。
すぐさまブライアンはレノーアの元へ車を走らせる。向かっている道中で元CIAの友人サムに電話をかけ、録音した音声ファイルの分析を頼んだ。家に到着したブライアンは開口一番、キムが連れ去られた件を伝え、海外に敵はいるか?と現夫のスチュアートに問い詰めた。愛娘の継父になると分かった時点で徹底的に調べたという。その際に以前石油をめぐってロシアとの交渉に失敗していた事が判明した。しかしスチュアートは恨みは買ってないという。話しながらキムの部屋を調べるブライアン。
猶予は96時間
とりあえずパリにすぐ飛べるようスチュアートにプライベートジェットの手配を頼んだ。そこへ音声分析を終えたサムから電話がくる。犯人は人身売買を行っているフランスのアルバニア系マフィアだった。キムが目にしたタトゥーが組織のシンボルマークであり、奴らは誘拐した女性たちを薬漬けにし、最終的には売春婦として働かせるのが主な手段だという。ブライアンが話した相手はそのマフィアのリーダーであるマルコという男だった。その組織が犯人だとすると、96時間以内に救出しないと取り戻せなくなる。
それを横で聞いていたレノーアは泣いて取り乱す。ブライアンはすぐ単身パリへ渡った。飛行機の中で録音したキムとの通話内容を繰り返し何度も聞く。パリに着いたブライアンは、まずキムが拉致された部屋へ行き現場検証を行う。割れた鏡から犯人の毛髪を採取し、壊されたキムの携帯からメモリーカードを抜き取った。メモリーカードに入っていた写真をプリンターでチェックしていると、空港のタクシー乗り場で撮られたキムとアマンダの写真があった。よく見ると、キムたちの後ろにある公衆電話に反射して写っている男を見つける。きっとこの男がピーターだと確信したブライアンは空港へ向かった。
残り80時間
空港に到着し、最初に犯人が接触したと思われるタクシー乗り場へ行ってみると、ピーターとその仲間がいて、キムの時と同じように旅行客へ声をかけていた。ブライアンはすかさずピーターに殴りかかりキムの居場所を聞き出そうとする。しかし仲間に妨害されピーターはその場から逃走。仲間を倒しピーターを追いかけるブライアン。しかしピーターはトラックにはねられ死亡した。
残り80時間。手がかりを失ったブライアンは、フランスの元工作員で顔なじみのジャン=クロードを頼った。彼はアルバニア系マフィアが縄張りにしている場所を教えたが、騒ぎを起こさないよう忠告する。ジャン=クロードはブライアンと別れたあと、彼を尾行するよう誰かに電話をかけた。ブライアンは建設現場の売春宿へ侵入する。1部屋1部屋覗いて行くと、薬漬けにされた女性達が男性客の相手をしていた。するとキムの上着を持っていた女性を見つける。上着をどうしたのか聞くブライアンだったが、薬で意識が朦朧としており会話にならない。
そこでブライアンは彼女を連れ出そうとしたが敵に見つかってしまった。しかし元工作員のブライアンは大勢の敵を1人でやっつけ、知り合いのホテルへ行き女性を夜通し看病。その甲斐もあって翌朝彼女は話が出来るまでに回復していた。改めて上着の件を聞くと、ピーターという男に誘われパラディ通りにある赤い扉の家へ行ったところ監禁され、そこにいた優しい女の子がくれたという。
父親の復習
その場所へ向かったブライアンは赤い扉の建物へジャン=クロードに扮して侵入する。彼は裏でマフィアの行動を見逃す代わりに賄賂を受け取っていた。リーダーであるマルコと思わしき人物に、友達からもらった手紙を訳して欲しいと頼み「頑張れ」と言わせると、あのキムが連れ去られた日に聞いた声と一致。
犯人を突き止めたブライアンはマルコ以外の全員を殺しアジトを制圧。部屋を隅々まで探し回ると薬物中毒により死んだアマンダを発見。しかしそこにキムの姿はなかった。ブライアンはキムの居場所を聞き出すため、マルコを電気椅子へしばりつけ拷問を始める。
拷問に耐えられなくなったマルコは話し始める。キムは処女だったため高値で売れると、サンクレアという人物に売り渡していた。居場所を聞き出したブライアンはマルコに高圧電流のスイッチを押したまま部屋を後にした。
ついに娘を見つけた
ブライアンはサンクレアという人物をジャン=クロードに無理やり探させ居場所を突き止めた。警備員のフリをして建物へ侵入。地下へ行くと部屋が沢山あり、1部屋に1人ずつ男たちが座っていて、連れ去られた女性たちのオークションを行っていた。
ブライアンは今度はウエイターのフリをしてシャンパンを部屋の中へ持っていくと、ちょうど中にいた男が女性を競り落とすところだった。その男はボスと思われる人物へ電話をかけ「競り落としました。残り1人です」と言う。
最後の1人が商品として連れて来られたが、なんとそれはずっと探していたキムだった。ブライアンは男に銃を突きつけ競り落とすよう脅迫する。無事キムを落札したブライアンが男を連れ部屋を出ると、何者かに後ろから頭を殴られ気絶してしまう。
愛娘を無事救出
目を覚ますとブライアンは男たちに囲まれ縛り上げられていた。殺せという指示に男たちがブライアンへ襲いかかるが、ブライアンはその場にいた全員を殺し、取りまとめと思われる人物にキムの居場所を聞く。
船に運ばれる事を聞き出したブライアンは建物から出ると、ちょうどキムを落札させた男が車に乗り込むところだった。その車を走って必死に追いかけるブライアン。車が停まった先に船があったが、船は出発してしまった。ブライアンは車を奪って更に追いかける。
船に近づいた所で車を停め、橋の上から船に飛び移った。ブライアンは船にいた男たちを次々殺していき、ついにキムを落札した張本人である富豪の部屋にたどり着く。部屋に入ると男がキムにナイフを突きつけていた。ブライアンは男の頭を撃ち抜きキムを救出する。
パパが助けに来てくれたと泣き崩れるキム。ブライアンはホッとして娘を抱きしめた。
無事娘を救い出すことができ、ブライアンは娘と一緒にアメリアへ帰国。空港で待っていた母レノーアとスチュアートはブライアンへ感謝する。後日ブライアンはすっかり元気になったキムを連れシーラの家を尋ね、玄関先で出迎えたシーラにキムは驚く。
◆「96時間」総合評価
星 4.6
こんな最強パパが欲しい!!映画を見終わった方はそう思うのではないでしょうか(笑)
かなり過保護な面もありますが、危険と隣り合わせの海外では、実に頼もしい父親だと私は思います。キムの方は「THE・箱入り娘」というキャラクター。ブライアンの、うちの娘に手を出す奴は全員ブチ殺す!ってテンションが大好きです(笑)
続編の「96時間/リベンジ」と「96時間/レクイエム」もとってもおもしろいので、是非観てみてください♪