急に歌い出し、オーバーなリアクションが定番のおとぎの国。それがそのまま現代社会へ舞い降りたら人々は一体どんな反応をするだろう?誰もが知ってるシンデレラや白雪姫などの物語を全てパロディ化したストーリー展開(笑)
「メッセージ」のエイミー・アダムスと「グレイズ・アナトミー」「ブリジットジョーンズの日記」のパトリック・デンプシーが繰り広げる斬新なディズニーミュージカル!とても素敵な挿入歌にもご注目♪
はじまりはじまり
むかしむかし、あるところに夢と魔法の国「アンダレーシア」があった。この国の王子エドワードの継母であるナリッサ女王は、いつか王子が結婚したら自分は城から追い出されると思い込んでおり、ありとあらゆる手を使って王子が運命の相手に出会うことを阻止していた…。
運命の出会い
アンダレーシアの森の奥にジゼルという女の子がいた。木の家に住んでおり、リスのお友達ピップや、他の動物たちとお話したり一緒に歌ったりしている。ジゼルはいつか、青い目の王子様と出会い、真実の愛のキスを交わすことを夢見ていた。
その頃、王子エドワードは、ナリッサ女王の右腕であるナサニエルと共にトロール狩りをして遊んでいた。ある日突然運命の女性と出会わぬよう、別の事に集中させるためだった。すると、どこからか美しい歌声が聞こえてくる。ジゼルだ。
エドワードはその声に惹かれ、彼女こそが運命の相手だと声のする方へ行ってしまう。ナリッサ女王に殺される!と、ナサニエルは後を追いかけた。捕まえ損ねたトロールは暴走し、ジゼルに襲い掛かる。頑張って逃げるジゼルだったが、木の枝の先まで追い詰められると、枝が折れて落下してしまう。
それをエドワード王子が見事に受け止めた。こうして2人は運命の出会いを果たし、その日のうちに結婚を決める。その様子を魔法の鏡で見ていたメリッサ女王は、自分から王座を奪う気だと怒りに燃えた。
行きついた先は…
結婚式当日。ウエディングドレスを着たジゼルがお城へ着くと、謎の老婆に出くわす。老婆は、願いが叶う井戸があるとジゼルを呼び寄せる。結婚式があるからと断ったジゼルだが、あまりに押しの強い老婆に根負けし、少しだけと寄り道することにした。願いが叶うという井戸の前にやって来たジゼルは、願い事をするよう老婆に言われ目を閉じる。
「王子様といつまでも幸せに…」と願ったところで、老婆がジゼルを井戸に突き落としてしまった。悲鳴を上げながら落ちていくジゼル。老婆が呪文を唱えると、元の姿に戻っていった。それはまさしくメリッサ女王。
そこへやってきたナサニエルがどこへ行ったのか聞くと、メリッサは「永遠の幸せなんてない場所さ」とニヤつきながら答えた。その恐ろしい光景を見ていたジゼルの友達であるリスのピップは、状況を知らせに走った。どんどん落ちていくジゼル。すると光の粒に包まれ、瞬く間にまぶしい光に照らされる。光が落ち着き目を開けてみると、どこかのマンホールの中にいた。外へ出ると見たこともない世界が広がっている。
そこは現実世界のニューヨークだった。
ずぶ濡れのプリンセス
たくさんの人が行き交う中、声を掛けても全員スルー。そのまま人の流れに揉まれて流されてしまい、少し離れた場所まで来てしまった。
人気のない道でホームレスに話しかけるジゼル。するとホームレスはジゼルの頭に付けていたティアラを持って走り去ってしまう。冷たいニューヨークの人々に悲しむジゼル。更には雨まで降ってきた。その頃、法律事務所に務める弁護士のロバートは、抱えていた離婚案件の打ち合わせが終わり、娘モーガンのお迎えに向かうところだった。
彼には再婚を考えているナンシーという彼女がいる。帰りのタクシーの中で、モーガンに本をプレゼントするロバート。モーガンが包み紙を開けると、”偉大な女性たち”というお堅い本だった。おとぎ話の本だと思っていたモーガンはがっかり。ロバートは超現実主義だった。
そして、ナンシーに今度プロポーズをすると打ち明ける。継母はいつもいじわるなものだと不安げなモーガン。その時信号でタクシーが止まった。窓の外を見るなり「プリンセスがいる!」と興奮し、モーガンは車を降りて走っていってしまう。慌てて追いかけるロバート。
ロバートとの出会い
カジノのお城の看板を、本物のお城だと勘違いしてひらすらノックしているジゼル。ロバートは彼女を見るなり薬物中毒者かと思うほど怪しんでいた。
するとジゼルはバランスを崩し落ちそうになってしまう。かろうじて手すりに手をかけたが、ドレスが重すぎて落ちてしまった。慌ててロバートがジゼルを受け止める。モーガンはすっかり本物のプリンセスだと思い込み、ずぶ濡れのジゼルを家に連れて行こうと提案した。
ロバートは仕方なくシャワーと電話を貸すために家へ連れて帰る。タクシーを呼ぶためにどこから来たか聞くも、アンダレーシアとしか答えない彼女に困惑するロバート。
とりあえずタクシーを呼ぼうとするが、疲れ果てたジゼルはソファで眠ってしまった。困ったロバートが起こそうとするが、寝かせておいてあげてと言うモーガンのお願いを1日だけという条件で受け入れた。
トラブル発生
次の日。リスのピップから話を聞いたエドワード王子は、ジゼルを助けにニューヨークへやって来る。ジゼルと同じくマンホールに着いたエドワード。道路工事をしていた男たちに変な奴が来たと怪しまれた。
見たことのない世界に辺りを見回し、ジゼルを必ず見つけ出すと意気込む。しかし、アンダレーシアでは上手に話せていたピップが、現実世界では話せなくなっていた。
その頃、ジゼルがようやく目を覚ました。辺りを見回すと、かなり部屋が散らかっている。するとジゼルはカーテンで衣装を作り、いつものように歌い始めた。歌声にのせ、鳩やリス、ねずみや虫たちが部屋に一斉に集まってくる。ジゼルは歌を歌いながら部屋を片付け始める。やがてモーガンが起きてきて、部屋の様子を見て絶句。急いでロバートを叩き起こし、ロバートが動物や虫たちを部屋の外へ追いやった。
ホッとしたのも束の間、もうすぐ恋人のナンシーが家に来る時間。しかしジゼルがシャワーを浴びている音がする。「まずい!!!」と叫び駆け寄ると、ちょうどバスルームから出てきたジゼルと鉢合わせ転倒。ロバートの上に、バスタオルを1枚体に巻いた状態のジゼルが覆いかぶさる状態になってしまった。
そこにタイミング悪くナンシー登場。5年付き合っていたものの、モーガンの事を考えてお泊りはやめようと約束していたのに、目の前にいるのは彼氏に覆いかぶさった裸の女性。ナンシーはブチ切れて部屋を出て行ってしまった。
最悪な状況に落胆するロバートだったが、仕事の時間が迫っていた。急いで支度して事務所へ向かう。仕方なくジゼルも連れていく。打ち合わせがあったロバートは、受付の女性にジゼルの帰宅先を聞いて送り出すよう頼んだ。
ナサニエルとエドワード
打ち合わせが終わり顧客を見送るロバート。受付の人はアンダレーシアがどこにあるのか分からず、ジゼルはまだそこにいた。
その様子を見ていたナリッサ女王は、ナサニエルをニューヨークへ送り込む。ナサニエルが同じくマンホールへ到着すると「またかよ」と工事現場の人たちがマンホールから引っ張りあげてくれた。
王子を見たかとナサニエルが男たちに聞くと、バスの上で剣を振りかざしているエドワードがいた。バスを敵だと思い込み、持っていた剣を突き刺してしまう。天井を貫通した剣は、中で座っていたお婆さんの荷物に突き刺さった。
それを見た運転手はエドワードにブチ切れ。早速エドワードもニューヨークの洗礼を受ける。その後、移動したエドワードたちは食事をしにレストランへ行った。
ナサニエルはキッチンに忍び込み、ナリッサ女王から毒リンゴを授かる。ナリッサはこれを使いジゼルを殺すよう命令した。その後、ナサニエルがテーブルへ戻ると、ピップがエドワードと話していた。なぜジゼルがこの世界に来てしまったのか、ジェスチャーをしながら犯人を必死に伝えようとするも、話せなくなってしまったピップの話はなかなかエドワードには伝わらなかった。全く検討違いな推測をするエドワードにピップも呆れてしまう。
公園で
その頃、ロバートはこれ以上面倒を見切れないと、ジゼルに仕方なく現金をいくらか渡し、その場で別れを告げた。
ジゼルは公園の中へ入っていき、その様子をしばらくロバートが見守っていると、ベンチに座っていたお婆さんへ王子様を見かけなかったかと話しかける。見たというお婆さんへお礼としてロバートから貰ったお金を全部渡してしまう。
それを見ていたロバートは呆れて駆け寄る。むやみに人にお金をあげてはいけないと注意していると、本当に見たというお婆さん。よく見ると、バスの中で荷物をエドワード王子に剣で刺された方だった。
何も知らない2人は事実とはつゆ知らず、お婆さんの話を聞かず歩き出す。しばらく他愛のない話をしながら歩いていた。そしてナンシーとのことを聞いたジゼル。5年付き合っていることに驚くと、ロバートはどのくらいで結婚を決めたのかとジゼルに聞いた。
初めて会ったその日だというジゼルにロバートも驚き。ジゼルはお互いを知るためにデートしなくちゃ!というロバートの話に耳を傾けていた。その間もナサニエルはジゼルを狙っており、今度は毒リンゴを食べさせる作戦に出る。
今日はりんご飴がタダだといい、毒リンゴで作ったりんご飴をジゼルに渡す。そのまま受け取ったジゼルだったが、話に夢中でリンゴ飴を放り投げてしまう。
その後、舞踏会の張り紙を見つけたジゼルは仲直りにナンシーを誘おうとロバートに持ちかけた。いつものごとくジゼルが歌い始めると、周りにいた人たちも徐々に加わっていき、公園にいた人たち全員を巻き込み壮大なミュージカルが始まった。
そして歌い終わったあと、白い鳩たちにお花と招待状を持たせ「ナンシーに届けて」とお願いするジゼル。ナンシーの居場所も知らないのにどうやって届けるのかとロバートは現実的な疑問を投げかけたが、驚くことにすぐナンシーから電話がかかってきた。ナンシーは喧嘩の件を謝り、花のお礼と舞踏会への招待を快く受けた。
ついに見つけた
その夜、ロバートとジゼルはモーガンを連れてレストランへ食事に行く。そこでもナサニエルは待ち構えており、毒入りのカクテルを飲ませようと試みた。
ジゼルが飲もうと口をグラスにつけようとした瞬間、リスのピップが邪魔に入る。まさかニューヨークに来ているとは知らず喜ぶジゼル。ピップはこれまでの経緯を伝えようと必死で喋った。
するとなぜかジゼルにはピップの言葉が理解できる。エドワードが来ていることも聞き驚いた。しかし、話の途中でロバートがピップをねずみと見間違えてしまい店内は大騒ぎ。
ナサニエルに叩きつぶされそうになるも間一髪ピップは逃げ切った。そのあと、レストランにねずみが出た事件として街頭インタビューに答えるジゼル。その放送をエドワードはホテルでたまたま見ており、遂にジゼルを見つける事ができた。急いでTVに映っていた場所へ向かうエドワード。
気持ちが揺れ動く
その夜、いつまでもエドワードを待ちぼうけているジゼルに、ロバートが現実を突きつける。きっとエドワードはもう来ないというロバートに、いつも否定ばかりだとジゼルは怒って言い返した。
すると一点、怒ったのは初めてだと大喜びのジゼル。何がなんだか分からないロバートを前に、いい雰囲気になる2人。お互い見つめあい何かを探ろうとする。しかし理性を取り戻したロバートは、おやすみと言って逃げるように寝室へ向かってしまった。
この胸のざわつきは一体何なのだろうかと、ジゼルも考えていた。その頃、ロバートのアパートにたどり着いたエドワードは、1部屋1部屋ノックして回り、ジゼルを探していた。翌朝、3人で朝食を食べていると誰かが訪ねてきた。するとそこにはエドワードが。ついに花嫁を見つけたと大興奮のエドワード。
さっそく歌い始めるもジゼルは乗ってこない。不思議がるエドワード。何しに来たのかと聞くジゼルに、もちろんアンダレーシアに連れ帰ってすぐ結婚する為だと答える。今度はカーペットで作った服を来て、ロバートたちとお別れする。モーガンはとても悲しんだ。ジゼルは、すぐに帰るのではなく、お互いを知る為にデートをしようとエドワードに頼む。そして舞踏会に行きたいとも。エドワードはそれが終わったら帰るという約束で承諾した。一通りニューヨークを観光したあと、ジゼルは再びモーガンの元を尋ねる。
舞踏会
舞踏会に着ていくドレスがない。モーガンはパパの箪笥の引き出しを開けてゴールドカードを取り出した。
「緊急事態の時だけ使っていいって言われてるけど、今がまさにそうよね!」と2人でお買い物に出かけた。両手にたくさん買い物袋を持ち、楽しそうに笑う2人。そして一緒に美容院へ行くと「ママがいるのってこんな感じなのかな…」と少し寂しそうにモーガンがつぶやいた。私にもママがいないのと言うジゼル。モーガンはジゼルが大好きになっていた。
その頃、一向にジゼルを始末できないナサニエルに嫌気が差したナリッサ女王は、自らの手で終わらせるためニューヨークへやってくる。そして舞踏会当日。エドワードにエスコートされ会場に入ると、中にはロバートとナンシーも来ていた。ジゼルのドレス姿に思わず見とれるロバート。お互い軽く挨拶を交わす。その時、エドワードがジゼルを「最愛の女性」と紹介したことにナンシーは感動していた。複雑な表情のジゼルとロバート。
そうこうしているうちにダンスが始まった。1曲踊った後、今度はパートナーを変えて踊って欲しいと司会者の方が促す。ジゼルはロバートと、ナンシーはエドワードと踊ることになった。お互い見つめあうジゼルとロバート。ダンスの息もピッタリだった。それを横で見ていたナンシーは何かを感じ取り、代わってとジゼルに言う。
パートナーを元に戻して踊り続け、ふとジゼルがロバートの方を見ると、ナンシーとキスをしていた。胸が苦しくなったジゼルはその場を去ろうとする。そこへ、メリッサ女王扮する老婆が現れ、毒リンゴを差し出す。1口かじるだけで今の辛い気持ちは全てなくなると言われ、ジゼルはリンゴを口にしてしまう。するとたちまち意識を失い、その場に倒れてしまった。
最終決戦
助けを呼ぶエドワードに気づきジゼルの元へ走るドバート。大したことないと誤魔化すナリッサ。すると後ろからナサニエルが現れ、彼女がリンゴに毒を持ったと暴露する。
ナサニエルは尽くしても尽くしても振り向いてくれないナリッサ女王に嫌気がさしていた。どうすればいいか分からずパニック状態のエドワードに、ロバートは日頃からジゼルが話していた事を思い出す。
それは「真実の愛のキス」。ジゼルを起こすにはそれしかないとエドワードに伝える。そして初めてエドワードはジゼルにキス。それをロバートは複雑そうに見ていた。ゆっくりと唇が離れ、ジゼルが目を覚ますのを待つ。が、なかなか目を覚まさない。
すると見かねたナンシーが「あなたがキスして」とロバートに言う。半信半疑のロバートは恐る恐るジゼルにキス。するとジゼルは目を覚ました。「あなただったのね」とついにお互いの気持ちを確認したジゼルとロバート。すると、真実の愛が魔法より強いのかと怒り心頭のナリッサ女王はドランコンに姿を変え、ロバートを拉致。そのままビルのてっぺんまで登っていってしまった。
ジゼルはその場にあった剣を手に取り助けに向かう。ドラゴンの強さに歯が立たないジゼル。するとピップがそこに現れ、ドラゴンが掴んでいた棒が重量オーバーで折れる。そのままドラゴンは落下し、地面に落ちると同時に砕け消え去った。ロバートとジゼルはビルの上で真実の愛のキスをもう一度する。その頃、ダンスフロアに残されたジゼルの片方の靴を眺め溜息をつくナンシー。その様子を見ていたエドワードがナンシーの手を取った。
めでたしめでたし
その後、残された者として気の合ったナンシーとエドワードはアンダレーシアに戻って結婚し、ジゼルは「アンダレーシアファッション」というアパレルブランドを立ち上げ、ニューヨークでロバートとモーガンの3人でいつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
「魔法にかけられて」の総合評価
星4.7
白雪姫の毒リンゴ、シンデレラの靴、「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」と続く定番のおとぎ話を片っ端からパロディ化するストーリー展開がとにかく楽しい!(笑)
普通はお姫様を助けに行く王子様というのが定番かと思いますが、さらわれた愛する人を助けるため、迷いなく靴を脱ぎ、剣を持って立ち向かっていくジゼルに真実の愛のパワーを感じました。しかも愛した人は王子様とは別の人!また、完璧な存在であるはずの王子様は、なんだかポンコツという逆設定にもユーモアがありますよね(笑)
余談ですが、この作品は私が初めて1人映画館デビューをした思い出のある映画でもあります。ロバート役のパトリック・デンプシーが大好きで、彼の作品は数多く観てきました。この作品は好きな人とでも家族とでも、みんなで楽しめる映画となっていますので、みなさん是非見てみてくださいね♪