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「トゥルーライズ」のあらすじと感想。最強パパが国家の安全を守る!

トゥルーライズ

1994年に日本で公開されたこの作品は、制作総費用が1億ドル(100億円※)を突破したアメリカ史上初の映画として注目を集めました。続編が決定していたものの、直前に起きた2001年アメリカ同時多発テロにより制作は中止されています。作中で出てくる戦闘機は、アメリカ海兵隊よりAV-8BハリアーⅡ戦闘機を実際に借りて着陸シーンが撮影されており、映像はリアルそのものです。

また、戦闘機事自体のレンタルは無料だったものの、燃料代が1時間1500ドル(15万円※)もかかり、なおかつ地面がジェットの排気で溶けてしまわぬよう着陸用のパッドも作らねばならなかったため、戦闘機に関しての制作費だけでも50万ドル(5000万円※)以上かかっています。まさに、超大作です!!

※分かりやすく1ドル=100円計算としています

ハリー・タスカーの正体

ハリー(アーノルド・シュワルツェネガー)はアメリカ大統領直属の国家保安組織「オメガ・セクター」に所属する敏腕スパイだ。妻・娘と一緒にロサンゼルスに暮らしているが、家族にはセールスマンとして本当の身分を偽っていた。任務を終えると、相棒のアルバートの運転で家に帰り、何食わぬ顔で普通の夫・父に戻る。しかし家では思春期の娘に相手にされず、妻も(任務で)ほとんど帰って来ない夫にストレスが溜まっていた。

テロ組織「真空のジハード」

ある日、中東のテログループ「真空のジハード」についての捜査線上で、古典美術商人であるスキナーという女に多額の資金が送金されていることが判明し、ハリーはその女に接近を試みる。その日はハリーの誕生日だった。パーティーをするから早く帰ってきて欲しいという妻ヘレン。どうせまた遅くなるとそっけない態度の娘デイナ。14歳の彼女は思春期まっさかりだった。それを聞いたハリーは今日は必ず約束を守ると言う。

ちょうどそこへ相棒のアルバートがハリーを迎えにきた。タバコ型の新しい小型カメラをハリーに見せつける。映像はサングラスを通して見る事ができ、試しにリビングへ置いたアルバート。その様子をサングラスをかけたハリーがキッチンから見てみる。すると出かけたはずの娘デイナがリビングに立ち寄り、ハリーのジャケットからお金を盗む様子が映った。すぐさまハリーはデイナを呼び止めるが、デイナは遅刻するからと、迎えに来ていた彼氏のバイクに飛び乗り走り去ってしまう。その後任務についたハリー。美術商人のスキナーを尋ね、アトリエを紹介してもらう。そこには古代の巨大な石造などが立ち並んでいた。その奥で、中東系の人たちが発掘作業をしている。その中に、ハリーをじっと見つめ怪しむ男がいた。

怪しい車

その帰り道、相棒アルバートが自分たちを尾行する不審な車を発見。ハリーは手がかりだと接触を試みようとするが、誕生日パーティーなのに早く帰らなくていいのかとアルバートが心配する。ヘレンはきっと理解してくれると言い、車をショッピングモールの入口につけた。アルバートが持ってきたタバコ型のカメラを手に持ち、後ろを監視しながら建物の中へ入って行くハリー。その後、敵らしき男2人が車から降りハリーの後を追った。車の中で待機しているアルバートが無線で状況報告をする。敵の車の中にも1人、アトリエでハリーを怪しんでいた男が残っていた。

襲撃

ハリーはトイレへ入り様子を観察する。すると先程の男たちが入ってくるなりハリーに襲い掛かってきた。その時、車の中の男を監視していたアルバートは、トラックが通り過ぎる間に男が車から姿を消している事に気づく。

慌ててハリーに伝えるアルバートだったが、男とやりあってる最中のハリーはそれどころではない。しかしさすが敏腕スパイのハリー。あっという間に敵2人を倒してしまった。すると間髪入れずに車にいたはずの3人目の男が銃で攻撃してくる。ハリーが反撃すると、男は逃げた。逃げた男を全速力で追うハリー。男は途中盗んだバイクで逃走しはじめたため、偶然通りがかった騎馬隊の馬を借りてハリーも追いかける。

やがて男はホテルの中へバイクのまま侵入し、高層階までのぼると隣のビルまで飛び移った。ハリーが後を追うも馬が怖気づき急停止。男はそのまま逃げてしまう。ハリーは「あと1歩だったのに!騎馬隊の名が廃るぞ!」と馬にお説教するのだった。

妻の浮気

結局夜遅くに帰宅したハリー。ご馳走を残したテーブルにいるヘレンへ謝罪をした。翌日、謝罪もこめてヘレンをランチに誘おうと、お昼時にヘレンが務める法律事務所へ来たハリー。ヘレンのデスクの傍までくると「例の彼氏から電話よ」「やめてよもう」と同僚から電話を取り次ぐヘレンの声が聞こえてきて歩みを止めた。

電話口の男はサイモンといい、ヘレンをランチに誘っていた。電話を切り、1時間出てくるといって笑顔でオフィスを出ていくヘレン。ハリーは死にそうな顔でアルバートの元へ戻ると「ヘレンが浮気してる…」と消えそうな声でつぶやいた。

その夜、家族で食事をとっているとハリーがヘレンにふっかける。ランチを一緒にと思ってオフィスを訪れたが不在だったと。するとヘレンはプリンターの故障で外を駆けずり回ってたと白々しく嘘をついた。

翌日、ハリーが襲われたことにより盗聴の許可が裁判所からおりた。そしてハリーを襲った男こそ「真空のジハード」のリーダー、アジズだったと発覚。しかしどうしても妻の浮気の件が頭から離れないハリーは、アルバートをつかいヘレンのバッグに盗聴器と追跡装置をつけさせたのだった。職権乱用だとアルバートが注意したが、ハリーは全く聞く耳を持たなかった。

壮大なサプライズ

ヘレンとサイモンの会話を盗聴した2人は、自身をスパイだと名乗るサイモンに驚きつつも、怪しい言動にハリー自らどんな男かを確認することにした。サイモンの中古車販売店に客のフリをして会いに行ったハリー。そこで、女を落とす為にスパイのフリをして刺激を与えてやっているんだというサイモンのナンパ術を聞いた。そしてある日、サイモンがスパイ作戦と称してヘレンを自宅に招いた時、ハリーは仲間である「本物の」スパイ達を大勢引き連れ現場に突入する。ただの冗談なのになぜこんなことになるんだと驚きを隠せないサイモン。そして、サイモンが本物のスパイだと信じていたヘレンは自分の身が危ないと大パニック。そのまま2人を引きはがし、ヘレンはハリーの所属先であるオメガ・セクターの施設に監禁した。マジックミラー越しにサイモンについてヘレンを尋問する2人。サイモンとは数日前に出会ったと語り始めた。

制裁

ある日ヘレンが1人でランチをしていると、ある男(サイモン)が自身がスパイで追われている身であり、助けて欲しいと話しかけてきた。その男はアタッシュケースをヘレンに預け立ち去ってしまう。

職場へ戻りカバンを開けてみると、そこにはパスポートと地図、更には銃まで入っていた。それを機にサイモンと会っていたという。困っていたから力になってあげたかっただけで、決して浮気はしていないというヘレン。毎日同じことの繰り返しで、生きている実感が欲しかったと。いまでも夫のハリーを心から愛しているという彼女の言葉を聞いたハリーは、ヘレンを許してあげることにした。そしてヘレンに1つ任務を授ける。詳細は追って連絡すると言われ、ヘレンは解放された。

一方のサイモンは、パンツ1丁にされた状態で銃で脅され、漏らしながら自分はただのつまらない男だと泣いて命乞いをする。哀れに思ったハリーとアルバートは、2度とそのツラを見せるなといい山奥に置き去りにし、制裁を与えた。

拉致

ハリーは刺激が欲しいというヘレンの希望を叶えるため、ある作戦を実行する。アルバートに変声器を使ってヘレンに電話をさせ、先日の任務を与えた。その任務は、ホテルにいるある組織の男の相手をし、小型の盗聴器を仕掛けるというものだった。

不安になるヘレンに、奴は見ているのが趣味だから手は出さないと言う。仕方なく指定されたホテルにドレスを着ていくヘレン。シースルーの袖がついたドレスだったが、部屋に入る直前にその袖を引きちぎり、谷間に盗聴器を入れた。

気合を入れて部屋に入ると、部屋は薄暗く、奥に1人の男が座っている。実はそれがハリーなのだが、逆光で顔が見えないため、ヘレンは組織の男だと思い込んでいた。脱いで踊れと録音していた音声をながし、ヘレンはセクシーな下着姿でダンスを踊り始める。

そして一通り踊り終えた後にベッドへ寝かし、ハリーがキス。すると、組織の男だと思い込んでいるヘレンは、思わずサイドテーブルにあった電話機でハリーの頭を思いっきりなぐりつけ股間をけり上げた。もがくハリー。そこでようやく自分の夫であることが分かったヘレン。その時、驚く彼女をよそに、目出し帽をかぶった複数の男たちが部屋に乱入し、2人とも拉致されてしまうのだった。

本当の姿

空港へ連れて来られた2人。そこには、プライベートジェットがあり、ハリーが調べていた古典美術商人のスキナーがいた。ハリーへ意味深な事を言ってヘレンを挑発するスキナー。ハリーはヘレンの身の安全のため、ヘレンを知らないフリをするが、怒ったヘレンがペンダントにしまってあった夫婦の写真を見せてしまい、思いっきりバレてしまう。

その後、2人はとある島へ連れて行かれた。そこには、スキナーのアトリエにあった石鏃が置かれている。男たちが石造を破壊すると、中から組織が持ち込んだ核弾頭が出てきた。そこで、ハリーが長年スパイという身を隠し続けてきた事を暴露され、ヘレンは大激怒。

そのまま2人は解体屋の男の元へ連れていかれる。薬を撃たれたハリーは次第に意識が朦朧としてきた。その薬は自白剤として使用されているため、解体屋の男が少し席を外している際にヘレンは正直な気持ちをハリーにぶつけた。

全て嘘だったのか。ハリーは仕事に関しては嘘をついていたが、家族への愛は本物だと話した。そこへ解体屋の男が戻ってくると、ハリーはこれからどうやってこの部屋にいる全員を殺すかを男に話した。手錠をしているのにありえないと男が笑うと、ハリーは外した手錠を男に見せ、あっという間にその場を制圧した。

脱出

夫は普通のセールスマンだと思っていたヘレンは驚き、2人は部屋から脱出する。声のする方へ向かうと、組織の男たちが集まり声明文のビデオテープを撮影していた。そのまま核弾頭のタイマーがセットされる。するとハリーとヘレンは見回りにきた敵に見つかってしまい、壮大な銃撃戦に発展してしまう。

銃が使えないヘレンにも万が一の為に銃を渡した。ハリーが敵と撃ち合っている間、別の男たちがヘレンの方へやってくる。ヘレンは仕方なく銃を発射すると反動ですっ転んでしまい、落としてしまう。そのまま銃は階段から落ちていきながら暴発。辺りにいた男たち全員が暴発した銃にやられた。「やるじゃん!」と冗談でハリーがジェスチャーで言うと、「まあね!」とまんざらでもなさそうなヘレン。

そのままハリーはどんどん敵を倒していくが、その間にヘレンが捕まり再び拉致されてしまう。車に乗せられたヘレンは、敵の組織と共に島を脱出。残されたハリーは、ヘレンのバッグに仕掛けた追跡装置により、すぐ駆けつけた仲間のヘリで島を遅れて後にした。

女の戦い

島からまっすぐ伸びた海の上の長い1本道。この道が唯一の脱出ルートだ。ヘレンはスキナーのリムジンに乗せられていた。急いで車をヘリで追いかけるハリー。すると事前に知らせていた軍より、戦闘機が応援に駆けつけてくれることになった。

すぐ戦闘機2機がやってきて、ハリーの指示のものと2発のミサイルを発射し道を寸断。爆発に巻き込まれた敵の車は海へ落下していった。その時、爆発に気をとられたスキナーがよそ見をした瞬間、ヘレンはスキナーの銃を奪い取ろうとする。

もみ合った末に銃が暴発し運転手が撃たれてしまった。暴走する車は更に加速していく。銃を奪われたスキナーはヘレンともみ合いになるが、ヘレンが今までの恨みを晴らすかのようにスキナーをボコボコにした。

ヘレンの救出

リムジンのサンルーフから身を乗り出すと、すぐ後ろにヘリに乗ったハリーの姿が見える。ハリーが道路が寸断されていることを何度も叫ぶが、ヘリの音にかき消されてしまいヘレンに届かない。身振り手振りで伝えていると、ふとヘレンが進行方向へ振り向く。ようやく事態を把握したのか「道がない!!!」と大パニック。

呆れるハリーだったが、ヘリの操縦士に車へ寄せるよう指示し、ヘレンの救出に取り掛かる。しかし、暴走した車は右へ左へと蛇行運転してしまい、うまく手が掴めない。道の切れ端までもうすぐというところで、ようやくハリーはヘレンの手を掴むことが出来た。

そのまま引っ張り上げるとヘリは上昇し、ヘレンは大絶叫。そしてその時スキナーが目を覚ます。目の前の光景に諦めたのか「クソ」と言いながら彼女は車ごと海へ落下。ハリー達は無事に安全圏まで移動し、爆発を夫婦2人で見届けた。

デイナの危機

しかし、安心したのも束の間。何とか逃げ切った「真空のジハード」のリーダーであるアジズが、ハリーの娘を誘拐したという知らせが入った。彼らのいる場所は特定できており、とある高層ビルのフロアで声明文のビデオを録画しようとしている。

アジズは核弾頭のタイマーにキーを差し込むと、報道記者とカメラマンを呼びつけた。しかし、カメラマンはハリーの仲間。そうとは知らずにカメラを前に熱弁を始める。「あのキーがあれば…」とアジズが指をさすと「どれのことですか?」と聞き返す報道記者。

振り返ると核弾頭のタイマーにキーがささっていない。辺りを見回すと、ハリーの娘デイナがキーを抜き取り逃走をはかろうとしていた。キーを持って走るデイナと追いかけるアジズと手下たち。

その場に残った手下を、カメラマン扮するハリーの仲間がしとめる。カメラの中に銃をしこんであった。デイナは屋上へ行き、さらには屋上からのびる鉄骨へとよじ登った。しかしアジズがデイナを追い詰め絶体絶命。「これ以上来たらキーを落とす!」と脅すデイナ。その時、戦闘機に乗ったハリーが登場した。

父と娘

まだハリーがスパイだということを知らないデイナは、なぜただのセールスマンのはずの父親が戦闘機に乗っているのか理解ができない。

困惑するデイナの真下に戦闘機をつけ、必ずキャッチするから飛び降りろというハリー。高層ビルの屋上でかなりの高さもあり、デイナは怖気づいて一歩も動けなかった。するとアジズがデイナを振り落とす。何とかデイナをキャッチしたハリーだったが、デイナは今にも落ちそう。するとアジズも戦闘機へ飛び乗ってきた。ハリーに銃を向け、このままではやられてしまう。

ハリーはデイナを操縦席の枠に捕まらせ、デイナにアイコンタクトを取る。状況を理解したデイナがしっかり捕まると、次の瞬間、機体を大きく傾けた。するとアジズはバランスを崩し滑り落ちていく。デイナは無事だった。しかし、アジズは運がいいのか悪いのか、服で背中が引っかかりまだそこにいる。デイナがそれに焦りハリーに知らせた。ハリーがよく見ると、アジズはミサイルに引っかかっていた。ハリーはニヤけながら発射ボタンを押す。ものすごい勢いでミサイルと共に飛んでいくアジズ。その先にいたアジズの仲間のヘリにぶつかり大爆発。ハリーはデイナを連れて無事に着陸した。

その後

それから1年後。ハリーはあの事件依頼、家族との絆を取り戻していた。ある日、家族団らんで過ごしていると、1本の電話がかかってくる。電話に出るヘレンは慣れたように極秘の任務を引き受けた。ヘレンはあの事件以来ハリーと共にスパイとして活動している。

その後、ハリーとヘレンは共にミッションのため、あるパーティー会場へ行く。ターゲットを探しているとヘレンが「懐かしい人がいるわよ」とハリーに声をかける。それはウェイターとしてシャンパンを運びながら美女をナンパしていたサイモンだった。

ハリーとヘレンで挟み撃ちにしてサイモンへ脅しをかける。ヘレンは口紅を銃のようにみせかけサイモンの顎につきつけた。サイモンはあの時と同じように漏らしてズボンを汚してしまう。サイモンはそのまま腰を抜かしながらパーティー会場から逃げていった。それを見て楽しむ2人。その後ハリーとヘレンは流れてきた曲に合わせダンスを踊って映画は幕を閉じた。

「トゥルーライズ」の総合評価

星3.8

制作費がめちゃくちゃ高いだけあって迫力のTHEアクション映画ですね!この映画を見たのは子供の頃でしたが、シュワちゃんが娘を救出する際の戦闘機シーンはとてもハラハラドキドキで、こんなパパかっこいいな~と思っていたのを思い出します。幻の続編も見てみたかったですね。このころのシュワちゃんは、コメディ要素のある映画に出始めたくらいなので、ターミネーターの頃とは違い、笑顔がとても素敵でした♪