ホグワーツ魔法学校の5年生となったハリー。ヴォルデモートの復活を信じず現実から目を逸らす魔法省と対立しながらも、自らの運命を悟り立ち向かっていくハリーの1年間の物語。熱い友情に励まされ、ホグワーツを支配する魔法省に負けぬよう、有志たちによるダンブルドア軍団を結成。ハリーたちはどこまでやれるのか。
退学処分
夏休みをダーズリー家で過ごしていたハリー。あの悲しい事件から、ハリーは毎晩セドリックが殺される悪夢にうなされていた。この日もハリーは公園でうたた寝をし、悪夢でハッと目が覚める。そこへやってきたダドリーにからかわれた。最初は相手にしていなかったものの、母親のことをからかわれハリーが怒る。すると雨雲がたちこめ、急に天候が悪化した。
雨が降ってきて帰り道を急ぐ。ダドリーのあとをハリーが離れて歩いていると、辺りが凍りつき突如としてディメンターに襲われてしまう。ハリーは守護霊呪文でディメンターたちを追い払った。そこへ1人の婦人が現れる。彼女はアラベルト・フィッグと言い、ダンブルドアの言いつけでハリーを見守っていた。フィッグはハリーに家から出ないように言う。
ダドリーを家へ連れ帰ったハリーは、ディメンターに魂を吸われ少しおかしくなったダドリーについて義両親から責められる。そこへハリー宛てにフクロウ便が届き、マグルの前で魔法を使った「未成年魔法使いの制限に関する法令」違反によりホグワーツ魔法学校を退学処分になる。ダドリーを義両親が病院へ連れて行き、家に1人取り残されたハリー。そこへマッドアイ先生たちがやってきて、退学は懲戒尋問まで保留になったと伝える。そしてハリーは一行と共に箒に乗ってダーズリー家を後にした。
不死鳥の騎士団
その後、いくつか立ち並ぶ家の前で箒を降りる。マッドアイが箒で地面を数回叩くと、建物が広がり、家の入口がもう1つ現れた。ここはシリウス・ブラックの家だった。みんな中へ入っていく。廊下を進むと、リビングらしき部屋でシリウスやルーピン先生、ロンの両親たちが会議中だった。
すると扉を閉めて上へ行くようロンの母親が言う。ハリーが言われた通り階段を登ると、ブラック家の屋敷しもべクリーチャーが「穢れた血、狼人間、裏切者、泥棒が屋敷に入り込むなんてとんでもないことだ」とブツブツ文句を言っていた。ハリーが部屋に入るとロンとハーマイオニーがハリーの退学について不服そうに怒っている。何がなんだか分からないハリーに、ここはヴォルデモートと戦う為の秘密組織「不死鳥の騎士団」の作戦本部だと教えた。
下でどんな話がなされているのか気になるみんなは階段に集まり、ロンの双子の兄フレッドとジョージが耳の形をした「聞き耳」を釣り竿を使ってドアの傍に持っていく。中の会話を盗み聞きすると、ヴォルデモートの件を話していた。奴の復活を見たのがハリーのみだったため、世間ではあまり信じられていない。そしてスネイプの騎士団の一員であることが判明した。しかしタイミング悪くハーマイオニーの猫クルックシャンクスが「聞き耳」に興味を持ち、どこかへ持って行ってしまう。
嘘をついた男の子
その時、ロンの母がドアをあけ、食事の時間だと子供たちを呼んだ。久しぶりの再会に喜ぶシリウスとハリー。そしてルーピン先生は、ハリーがウィンゼンガモット大法廷で尋問を受ける事を教えた。新聞には「嘘をついた男の子」とハリーの記事が出ており、ダンブルドアも攻撃されていた。魔法大臣のコーネリウスは、ヴォルデモートの復活を信じたくないあまり日刊預言者新聞へ圧力をかけ、その件を語る者を攻撃している。
シリウスは、ヴォルデモートが軍団を再構築し、大勢の魔法使いや闇の生き物を支配下に置いていると話し、更に「ある物」を求めていると言った。そこでマッドアイやロンの母がシリウスを止める。これ以上話すのは危険、それならいっそのことハリーを騎士団に入れればいいとロンの母親が言う。それに間髪入れず「入りたい!」と願うハリーだった。
後日、ハリーはロンの父アーサーと一緒に電話ボックスに入り、お客様入口から地下の魔法省へ入った。中へ入るとたくさんの人が行きかっている。そこで尋問の時間が早まったことを知り、2人は急いで向かった。
懲戒尋問
魔法省にて懲戒尋問が始まる。尋問官はコーネリウス魔法大臣だ。そして被告の証人としてダンブルドアがやってくる。コーネリウス大臣は、守護霊呪文を使ったことと、17歳未満は校外で魔法の使用は禁止されている件を話す。ハリーはディメンターに襲われ仕方なく魔法を使うしかなかったと訴えた。すると魔法省のアンブリッジは、ディメンターは魔法省できちんと管理していると言う。ダンブルドアは、ディメンターが何の許可もなく襲撃した裏には何者かがいるはずだとフォローした。そしてコーネリウスに闇の帝王の復活は間違いないと言うが、コーネリウスはこれを否定する。
続けて、「生命の危機なら魔法を使用してよいと法律にはある。1人の少年の尋問に大法廷を招集するとは何事か。」と魔法省のやり方を非難した。そして採決が取られ、多数決によりハリーは何とか無罪放免となった。
夏休みが終わり学校へ向かうハリーを、黒い犬に変身して駅まで見送りにきたシリウス。人目に触れぬよう入った待合室で、シリウスはハリーへ1枚の写真を渡す。そこには初代騎士団が写っており、ハリーやネビルの両親もいた。2人はしばしの別れを告げる。
新学期スタート
ルーナとハリーは駅のホームでヴォルデモートを見つける。しかしそれはハリーの夢だった。ドラコがハリーを馬鹿にする。その後列車が終着駅に着き、学校までの道のりを馬車で移動する。荷車を引いていた生き物が真っ黒く不気味だったため、ハリーが「この生き物はなに?」と聞くが、ハリー以外にその生き物は見えていなかった。すると、そこへ1人の少女ルーナがやってきて、自分も見えると言う。ハリーたちとルーナは同じ馬車でホグワーツまで向かったが、ルーナが気になるロンに「この子は不思議ちゃん…ではなくて、ルーナ」だと紹介していた。
ホグワーツに到着し大広間で夕食をとる。ダンブルドア校長がいつものように新学期の挨拶を始め、新任の先生を紹介。ハグリッドが不在中「魔法生物飼育学」はグランブリー・プランク先生が担当し、「闇の魔術に対する防衛術」は魔法省のアンブリッジが担当となった。全身ピンクの服装のアンブリッジは、「正すべき者は但し、禁ずるべきと分かった者は切り捨てましょう。」と不気味な笑顔で着任の挨拶をする。
ハリーがグリフィンドールの談話室へ行くと、同級生のシェーマスが新聞を見てハリーは嘘つきだと言った。他のみなもシェーマスと同じ意見のような雰囲気だ。ロンは「俺はハリーを信じる」と言ってかばった。ハリーは誰も信じてくれない状況にイラだつ。その夜、ハリーはまたもヴォルデモートの夢でうなされていた。
アンブリッジの授業
授業が始まると、アンブリッジが普通魔法レベル試験(通称:フクロウ試験/OWL)について話す。アンブリッジは、防衛術の学習は教科書のみで学び、試験に合格するための理論的な知識のみで十分だと言う。すると生徒たちから不満の声が漏れた。ハリーは理論が実戦で何の役に立つのかと反論する。それに対し「あなたのような子供を誰が襲うの?」とアンブリッジが聞いた。ハリーが「ヴォルデモートとか…」と言うと、闇の魔法使いの復活は嘘だと反論する。それにハリーが食い下がり、「ヴォルデモートと戦ったし、セドリックは殺された」と声を荒げると、「いい加減にしなさい!」と授業後にハリーを部屋に呼び出した。
ハリーがアンブリッジの部屋へ行くと、罰として「僕は嘘をついてはいけない」と繰り返し紙に書きなさいと命じられる。仕方なくハリーが書こうとすると、アンブリッジの特殊な羽ペンを使うように言われた。言われた通りにその羽ペンを使うとインクが出ない。「インクが出ません」とハリーが言うも、アンブリッジは「それでいいの」と返す。訳が分からなかったが、そのまま1度「僕は嘘をついてはいけない」と書いた。たちまち手の甲に痛みが走り、書いた文字が手に刻まれていく。ハリーは痛みで顔をしかめた。
寮へ戻るとロンの双子の兄フレッドとジョージが、食べると病気になって授業をサボれる「ずる休みスナック」を発売している。ハリーを見るなり心配して寄ってきたハーマイオニーに手の傷がバレた。「こんなのひどい!」と怒り心頭で、ダンブルドアに言うよう助言したが、「ダンブルドアは心配事がいっぱいだし、アンブリッジに負けたくない」とハリーは拒んだ。ハリーは「学校に戻ったが孤独だ」とシリウスへフクロウ便を送った。
新たな教育令
ハリーが森へ行くと、ルーナが馬車を引いていた謎の黒い生き物を撫でていた。この生物はセストラルといい、死を経験した人にしか見えないのだという。ルーナは9歳の時に母親を亡くしていたため、ハリーと同じく見る事ができた。その話を聞き目線を下にやると、彼女が裸足だったためハリーが理由を聞く。ルーナはナーグルが靴を全て隠してしまったと言った。そしてナーグル除けなるものを持っている。不思議な雰囲気の女の子だ。そして、「例のあの人はハリーを孤独にさせたいんだ。だってハリー1人ならそんな強敵じゃないじゃない?」と笑顔でハリーに言った。
校舎へ戻るとマクゴナガル先生がアンブリッジへ抗議していた。生徒に罰則を与えるのであれば規定の方法で行って欲しいと。しかしアッブリッジは「私への異議は、魔法省や大臣に異議を唱えるのと同じです」とマクゴナガル先生を威圧した。そして教育令第23条「アンブリッジを高等尋問官に任命」が発令。アンブリッジは態度の悪い生徒や服装が乱れている生徒を正し、先生たちの調査のため各教室を見て回った。続けて教育令第30条「勉強中の音楽は禁止。ウィーズリー製品は全面禁止。身なりと態度を正すこと。」が発令された。
トレローニー先生の預言の授業を調査しにきたアンブリッジは、自分に一つ預言が欲しいと頼む。するとトレローニー先生は「あなたに恐ろしい危機が迫っている」と言った。気に食わないアンブリッジはトレローニー先生を解雇し学校から追い出そうとする。トレローニー先生は解雇はやめてほしいと泣いて訴えた。そこへマクゴナガル先生が慌てた様子でやってきて先生を抱きしめる。しかしアンブリッジは全く聞く耳を持たない。するとダンブルドアが現れ、「トレローニー先生を中へ」と言いマクゴナガル先生が連れて行った。そして「教師を解雇する権限はあるが、この学校から追い出す権限は校長である私にまだある」と言いアンブリッジを牽制した。
ダンブルドア軍団
寮の談話室では、ハーマイオニーがアンブリッジは学校を乗っ取る気だと怒っている。ラジオのニュースでも魔法界で行方不明者が続出していると報道されており、魔法大臣がシリウスのせいにしていた。すると暖炉にシリウスが現れる。「生徒に呪文を教えないのは魔法大臣が戦闘訓練をさせたくないからだ。ダンブルドアが軍団を作り、魔法省へ反乱を起こすと変な妄想にかられている。行方不明者が続出しているのはヴォルデモートが動き出したからだ」とハリーへ教えた。ロンとハーマイオニーは、自分を守る術をアンブリッジが教えないというなら他の人から学ぶと言い、有志「ダンブルドア軍団」を結成しハリーへ講師を頼んだ。
ネビル・フレッド・ジョージ・チョウ・ルーナ・ジニーなど数十人が集まったが、ヴォルデモートの復活を信じない者もまだいた。講師がハリーだということに不安を抱いている者もいる。そこでルーナが「ハリーは守護霊を出せるんだよ」と言うと、みな驚いた。続けてネビルが「剣でバジリスクを倒した」と言い、ロンは「ディメンターの群れを追い払った」と付け加える。その話を聞き、ハリーの凄さにみな圧倒され、やる気がみなぎってきていた。しかしハリーは、運が良かっただけで闇の魔術と戦うのは命がけだと忠告する。「自分が死ぬか、または目の前で大事な友を失うかだ」と言うと、みな真剣な表情になった。ハーマイオニーが「だからこそ、ヴォルデモートと戦うためにあなたが必要よ」とハリーを説得すると、ダンブルドア軍団への参加希望者たちが列を作って署名した。
必要の部屋
ハリーたちがコソコソ話しているのを発見したアンブリッジは、新たに教育令第68条「学生による組織は禁止」をかかげた。アンブリッジに見つからないよう練習する場所を確保しなければならない。すると廊下を歩いていたネビルが壁に現れた「必要の部屋」の入口を偶然見つける。そこは必要な時に現れる部屋で、必要な物が全て揃っている。「お手柄ね」とハーマイオニーはネビルを褒めた。メンバーたちが部屋へ入ると、広い空間が広がっている。ハリーはここで必要な呪文を教え、みんな練習し続けた。
アンブリッジの授業後、フィルチが怪しい生徒を見つけ後をつける。必要の部屋は、必要な時以外入口は閉じてただの壁と化すため、フィルチは生徒を見失った。フィルチはそこで張り込みをして生徒たちを待つ。しかし練習を終えたハリーたちは別の出口から外へ出たためバレずに済んだ。そして教育令第82条「規則違反の集会を行っていないか尋問する」が発令。アンブリッジが生徒を1人ずつ部屋に呼び尋問が始まった。なかなか入口を見つけることができないアンブリッジは、更に教育令第98条「尋問官親衛隊になった者には特別に点を与える」を発令。ドラコ・フィルチなどを尋問官親衛隊に任命した。
冬休みになり、練習は一旦終了となる。休み明けにまた会おうとみんな解散し部屋を出たが、チョウ1人だけが浮かない顔で残っていた。ハリーは彼女を気遣い傍へ行く。チョウは飾られていたセドリックの写真を見ながら「彼も防衛術を知っていたら…」と嘆いた。ハリーは「彼も知っていたけど、ヴォルデモートの方が上だった」と話す。2人は見つめあってそのままキスをした。談話室へ戻りロンとハーマイオニーがチョウの様子をハリーへ尋ねると、泣いていたと言う。ハーマイオニーは「セドリックの死を悲しんでるからハリーとのキスが後ろめたい。それにアンブリッジが魔法省にいる母親をクビにするんじゃないかとか、試験の事とか、彼女は心配なことだらけ」と教えてあげた。
閉心術
ハリーはその夜、ロンの父アーサーが魔法省の倉庫で襲われる夢を見る。ロンとマクゴナガル先生はハリーをダンブルドアの元へ連れて行き、ダンブルドアは部屋の肖像画にアーサーが負傷した連絡を頼んだ。すると肖像画は「命は取り留めた。例のものは奪われていない」と報告する。そこへスネイプがやってきて、ハリーをスネイプの部屋へ連れて行った。スネイプは「前回の戦いでヴォルデモートとの間に絆ができた」という。ハリーが「向こうがそれに気づいたら?」と聞くと「気づかれたら、己の心を読み、操り、正気を失う」とスネイプは答えた。そこでスネイプは心への侵入を防ぐべく「閉心術」を教える。試しにスネイプがハリーの心への侵入を試みると、ハリーは防ごうと苦しんだ。
クリスマスになり、ハリーたち3人とウィーズリー一家はシリウスの家で過ごす。アーサーは全身痛ましい姿になっていたが、ハリーへ命の恩人だと感謝した。屋敷しもべのクリーチャーが「闇の帝王を止めた男の子、穢れた血の友人、血を裏切る者」とハリーたち3人を罵るとシリウスが止めに入る。シリウスは「ここは両親の家で、ここで育った。壁にあるブラック家の家系図には従姉妹であり闇の魔女ベラトリックスがいる。両親は純血主義で、それが嫌になり16で家を出た。家を出てからは、君の父ジェームズの家で暮らしたよ。」とハリーに教えた。ハリーはシリウスに、ヴォルデモートとの間に絆ができてしまい自分も悪に染まってしまうのではないかと不安を打ち明ける。それにシリウスは「誰しもが心に光と影を持っている。大事なのはどの道を選ぶかだ。」と諭した。そして「すべて終われば本当の家族になれる」とハリーを励ました。
思い出が力になる
年が明け、ハグリッドが学校に戻ってきた。アンブリッジに休んでいた理由を聞かれ、健康上の理由でと答える。しかしハグリッドはハリーたちに「ダンブルドアの使いで巨人のところへ行って味方になるよう説得していた。デス・イーターも来ていて、ヴォルデモートの陣営に誘っていた」と教えた。その後、10人の囚人がアズカバンから脱獄し、その中にはベラトリックスもいた。コーネリウス魔法大臣は新聞記者へ、シリウスが裏で糸を引いていると話す。その記事を読んだネビルは不安にかられていた。ハリーを疑っていた子たちはハリーへ謝り、君を信じると言う。
必要な部屋でネビルは「14年前、ベラトリックスが両親にはりつけの呪文を使って拷問し殺した」とハリーへ話した。ハリーは「君の両親のためにも頑張ろう」とネビルを励ます。ハリーはメンバーへ「思い出が力になる。幸せな記憶で頭を満たして」と助言し、守護霊の呪文を教えた。成功する者が次々とでてきて、ジニーは馬、ハーマイオニーはラッコ、ロンは犬、リーナはうさぎの守護霊を出した。
ダンブルドア軍団解散
ハリーたちが練習をしていると大きな振動が起き、必要の部屋の入口が破られた。向こう側にはアンブリッジやドラコたち親衛隊、そしてチョウが立っている。アンブリッジはコーネリウス魔法大臣へ、「ダンブルドアが魔法省に逆らうために《ダンブルドア軍団》を作った」と主張した。ハリーはダンブルドアは関係ない、自分たちで全てやったと言ったが、ダンブルドアがハリーを庇い、「名前にもあるように、自分が指示した。責任は全て自分にある」と罪を被る。アンブリッジがダンブルドアをアズカバンへ連れていこうとすると、ダンブルドアは逃走した。
教育令第119条「ダンブルドアに代わり、アンブリッジを校長とする」が発令。ついにホグワーツでの最大権力を握ったアンブリッジ。尋問官親衛隊に得点を与え、規則違反の活動をしているか尋問。違反した生徒は即退学処分とした。ハリーたちは部屋に集められ、アンブリッジの刻むペンで手の甲に反省文を書かされる。お仕置きが終わって部屋を出たとき、扉の前でチョウが申し訳なさそうに立っていたが、みんな彼女を無視して帰って行った。ハリー・ロン・ハーマイオニーの3人は、ダンブルドアを悪い立場に追いやってしまったと反省。ダンブルドア軍団を解散した。
その後、ハリーたち3人はハグリッドに呼び出され禁じられた森へ行く。そこでは、住処を制限されたケンタウルスたちが怒っていた。ハグリッドは父親違いの弟の巨人グロウプを3人へ紹介し、時々ここへ来て相手をしてやって欲しいと頼んだ。
スネイプの過去
ハリーが「みぞの鏡」に映る両親を眺めていると、スネイプがやってきて「感傷に浸るな」と言う。ハリーはスネイプの元で閉心術の練習をしている真っ最中で、感情を含む全ての制御が必要だと容赦なく続ける。スネイプはハリーの父親ジェームズをとにかく恨んでおり、ハリーの前で中傷をすると「父さんはそんな人じゃない!」とハリーが怒った。その時、ハリーがスネイプの心に入り込む。
学生時代のスネイプとジェームズが現れ、ジェームズはスネイプを木に吊るして友人たちと嘲笑っていた。「やめろ!」その瞬間、現実に引き戻される。昔スネイプはジェームズにいじめられていたのだ。思わぬ光景を見て驚くハリー。スネイプはそこで練習をやめた。
フレッド&ジョージの逆襲
窮屈な学校生活に嫌気がさしたフレッドとジョージは、ホグワーツから去ることを決意する。アンブリッジがフクロウ試験の監督をしていると、そこへ箒に乗ったフレッドとジョージが乱入し、派手に花火を打ち上げた。さらにはアンブリッジが発令した教育令を飾った壁を破壊し、試験会場をめちゃくちゃにする。生徒たちは大喜びで会場から逃げ出していった。
しかしその時ハリーが倒れてしまう。ハリーは意識が朦朧とする中、ヴォルデモートが「俺様は預言が欲しい」といってシリウスを拷問しているのを見た。その場所はハリーが懲戒尋問で魔法省へ行った際に通りがかった神秘部で、そこにヴォルデモートが求める「ある物」があると気づく。ハーマイオニーにそれを話すが、心に入り込ませ過ぎていると注意を受けた。そう簡単に阻止できるものじゃないと反論するハリー。ハーマイオニーはヴォルデモートの罠かもしれないと言うが、シリウスが心配なハリーはそれでも行くと言った。
アンブリッジを追い払う
飛行パウダーで目的地へ向かう煙突ネットワークはアンブリッジが監視しているため、アンブリッジの部屋にある煙突を使おうと部屋に向かうが本人に見つかってしまう。他にもハリーの仲間であるジニー、ネビル、ルーナなどを捕らえ、スネイプ先生を呼び出すと「真実薬」を使って全て白状させるよう頼んだ。するとスネイプはチョウに使ったのが最後だと言う。チョウは真実薬を使って強制的に自白させられていたのだ。ハリーは「あの人にパットフッド(犬になることから来たシリウスの別名)が捕まった。あれが隠されている場所に!」とシリウスに訴えた。
アンブリッジはハリーにはりつけの呪文を使うと言ったため、ハーマイオニーは助けるべく「ダンブルドア校長の秘密の武器のありかを教える」と嘘をつきアンブリッジを禁じられた森へ連れて行った。そこにはハグリッドの異父兄弟の巨人グロウプがおり、アンブリッジを興味本位で捕まえる。そして住処を制限され怒ったケンタウルスが大勢やってきて、アンブリッジは彼らによってどこかへ連れ去られた。途中「私は悪者ではないと言って」とアンブリッジが言うが、ハリーは「僕は嘘をついてはいけない」と答えアンブリッジはどこかへ消えていった。
予言の球とシリウスの死
その後、抜け出したロンたちと合流したハリー。神秘部まで1人で行くと言うが、「1人で背負うな」とロンが言い、ネビル・ジーニー・ルーナも後に続いた。そして一行は黒い謎の生き物セストラルに乗ってロンドンへ飛んだ。
魔法省の神秘部にはおびただしい数の球体があり、その中にはハリーの名前が書かれた球体もあった。球を手にしたハリーは「闇の帝王を打ち破る力を持つ者が現れる。闇の帝王の知らない才能を持ち、一方は生き残るがもう一方は生きられない。」との預言を見た。その時、ドラコの父ルシウスが現れ「預言を渡せ。全てを知りたくないか。」と言う。次の瞬間、ベラトリックスやらデス・イーターたちに囲まれてしまった。みなハリーに習った呪文で攻撃しながら球を持って逃げる。必死に逃げ続けドアを開けると、広い空間へ落下した。そして仲間たちは人質に取られ、ハリーは仕方なくルシウスへ予言の球を渡す。
そこへシリウスたち「不死鳥の騎士団」が駆けつけ、ルシウスは球を落とし予言を壊してしまう。その後もデス・イーターと不死鳥の騎士団による闘いが繰り広げられていると、シリウスがベラトリックスの死の呪いの魔法によって命を落とした。名づけ親を失い泣き崩れるハリー。
ヴォルデモート撃退
怒りで我を忘れたハリーはベラトリックスを追いかけ詰め寄った。そこへヴォルデモートが現れ「手加減するな」とベラトリックスを殺すようそそのかす。しかしハリーは断った。その時、ダンブルドアが現れ「じき、闇払いが来る」と言う。その隙にベラトリックスは逃亡。ダンブルドアとヴォルデモートは魔法で壮絶な闘いを繰り広げ、辺りはおびただしい光の渦であふれた。なんとかダンブルドアがヴォルデモートを押し出すと、ヴォルデモートは撤退する。
その瞬間、ヴォルデモートは開心術を使いハリーの中へと入り込んだ。ハリーはもがき苦しみだす。ハリーはスネイプにならった閉心術を行い「弱いのはお前だ!愛を知らない。友情も。哀れな奴だ!」と必死に自分の中でヴォルデモートの意思へ抵抗し、撃退することに成功した。ハリーの身体からヴォルデモートは抜け出し「貴様は全てを失う」と言う。
守る価値があるもの
直後、魔法大臣のコーネリウスたちが駆けつけると、ヴォルデモートは消えた。その目で姿を見たコーネリウスは、ヴォルデモートの復活を認めざるをえなくなりハリーの容疑ははれる。そしてアンブリッジはホグワーツを追放され、ダンブルドアが校長として復帰した。
ハリーは預言の「どちらか一方しか生きられない」をダンブルドアへ伝える。ルーナはシリウスを失ったハリーを慰め「なくなったものは最後に現れる。意外なところから。」といい天井を見ると、なくなったルーナの靴がぶら下がっていた。家へ帰る列車へ向かって歩いている時、「僕にはヴォルデモートにないものを持っている。守る価値があるものだ。」とハリーがいうと、隣にいたロンとハーマイオニー、そして後ろにいた仲間たちが笑った。
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」総合評価
星 4.0
ディメンターに襲われ懲戒尋問を受け、唯一の居場所であったホグワーツを独裁され、やっと家族と呼べるようなシリウスとであったのに亡くなってしまうという、とにかくハリーにとって忍耐の1年間だったと思います。シリウス大好きだっただけに、本当に死んでしまったのかと最後の最後まで実は生きてる説に望みをかけていました。それにしても、不死鳥の騎士団にはじまりダンブルドア軍団、とてもカッコイイ!私のパトローナム(守護霊)はどんな動物だろな〜なんて思いながら見ていました♪ハリーが覚悟を決めた年といっても過言ではなく、これからの展開に期待です!