スティーヴン・スピルバーグ制作総指揮のSFサスペンス・アクション映画!
正体不明の女から突然電話がかかってきて、あれやこれやと命令される。そしてどこかで常に監視されている様子…。声の主は一体何者なのか?AIが発達した現在では、そう遠くない未来で起こりそうなテーマですね!正体が分かるまでのワクワクドキドキ感がとてもスリル満点です♪
全てのはじまり
アメリカ軍は中東のテロリストを追っていた。無人偵察機で撮影した写真を元に分析すると、ターゲットである確率は50%。
人口知能:AIの診断によって攻撃中止と判断されたが、アメリカ大統領の命令により攻撃は実行された。その後、この攻撃により多くの民間人を巻き込み犠牲者を出したものの、ターゲットと推測した人物は別人であった…。
兄の死と謎の荷物
主人公であるコピーショップ店員のジェリーは家賃を滞納しており、帰宅する度に家主から督促を受ける毎日だった。
そんな中、政府で働く双子の兄イーサンが事故で亡くなったとの知らせを受ける。数年ぶりに帰省し、兄の葬儀に出るジェリー。その頃、シングルマザーのレイチェルは、息子であるサムの演奏旅行のため駅まで見送りにきていた。
サムは大事なトランペットを持って出発する。その演奏会はワシントンDC・ケネディセンターで行われ、大統領も来る予定のものだった。
後日、ジェリーがATMでなけなしのお金を下そうとすると、多額のお金が振り込まれていた。驚いたジェリーは、その場を立ち去りアパートへ戻る。
いつものように家主が督促にやってきたため、ジェリーは滞納分の家賃を一括で返済した。すると、ジェリー宛の大量の荷物を部屋に全部入れておいたと家主が言う。
ジェリーはしつこい家主から逃げるように自分の部屋へ急いだ。ドアを開けると、部屋を埋めつくすほどの荷物が運び込まれている。試しに開けてみると、軍用の銃機材だった。身に覚えのない大量の荷物にジェリーが驚いていると携帯が鳴った。
電話にでると「今すぐ逃げろ」という女の声。どういうことなのか聞こうにも、その女はこちらの質問には答えない。何かのイタズラだと思ったジェリーが忠告を無視すると、いきなりFBI捜査官がやってきてテロ容疑で逮捕されてしまった。
2人が出会う
FBIに連行されたジェリー。取調室でモーガン捜査官の尋問を受ける。双子の兄イーサンとの関係性を聞かれたジェリーは激怒。モーガンはこの兄弟がテロに関わっていると疑っていた。
しばらくすると、軍から派遣された空軍特別捜査官のペレスがモーガンを訪ねてくる。一方その頃レイチェルは、息子のいない夜を友人たちと楽しんでいた。バーで楽しく飲んだあと外へ出ると携帯が鳴る。
電話に出るなり女の声で「息子を助けたければ指示に従え」と言われた。その女の声はジェリーの時と一緒だった。レイチェルもイタズラ電話かと思ったが、通りの向かいの液晶に息子が映し出され血の気が引く。
レイチェルは車に乗れと言う女の声の指示に従った。一方のジェリーはまた謎の女から電話がかかってくる。電話に出ると「今すぐかがみなさい」と言われ、その直後クレーンがFBIのビルめがけて突っ込んできた。そのまま逃走経路を指示され、仕方なくジェリーは逃げる。そしてレイチェルが運転する車に乗り2人は合流した。
協力
お互いが犯人だと思っている2人は激しく罵倒しあう。しかし謎の女からの指示だと言うと、2人は起きた事を教えあった。するとまた電話がかかってくる。FBIが追ってくるため逃げる2人。
不思議なことに、指示通り走っていると全ての信号が青になってゆく。この女は一体何者なのか。そのまま逃走を続け、ごみ処理場に着く。
するとクレーンが勝手に動き出し、2人が乗っている車が釣り上げられた。そのまま海の方へ向かっていく。「今すぐ飛び降りて」。女からの指示で飛び降りた2人はごみの山へ着地し、車は海へ落とされ沈んでいった。
ほどなくして到着したFBI捜査官達は彼らを見失い頭を悩ませる。その後、別の車へ乗り換えて女の指示で動き続けるジェリーとレイチェル。
途中、2人の口論が続きジェリーのせいだとレイチェルが責めたため、ジェリーは怒りがピークに達し車を降りてしまった。レイチェルは息子を助けたいから助けて欲しいと、先程の暴言を詫び、一応ジェリーとは和解する。
謎が深まる
その頃、謎の女に服従させられている男が別にいた。彼の役目はトランペットに爆弾の起爆装置を仕込むこと。仕方なくやり遂げた男は、ある場所へ行くよう命令される。ジェリーとレイチェルが車で行きついた先にその男が現れた。
その男もまた、ジェリーとレイチェルが犯人だと思っている。細工したトランペットを2人に渡し、もう関わりたくないとその場から帰ろうとした。すかさず女から着信があり「あの男を止めて」という。ジェリーが離れたら危ないと男に警告するも、男は命令を無視して走り出した。すると電波塔がショートし、落ちてきた電線に当たり男は死亡した。
国防長官からの依頼
一方、空軍特別捜査官のペレスはジェリーの事を調べていた。ジェリーの部屋へ行き、荷物を探っていく。すると棚の奥から国防総省のルーターが1台見つかった。
パソコンの電源を入れると国防総省のサイトが開く。適当にパスワードを入れてログインを試みるも失敗し、追跡されてしまう。部屋から出ると、黒塗りの車が目の前につき、スーツを着た男たちによって連行された。
国防総省に連れてこられたペレスは長官に呼ばれ挨拶する。担当を外されると思い食いつくペレスだったが、イーサンの死について調べるよう依頼された。アメリカは現在、誤爆の報復で諸外国の大使館にて自爆テロが相次いでいる。
イーグルアイ
ジェリーとレイチェルはその後、とある施設の護送車からブリーフケースを奪えと指示を受けていた。
警備員を銃で威嚇しケースを奪い去る。防犯カメラや人の携帯をハッキングして2人の姿を追う謎の女。伝言掲示板等に2人へのメッセージを掲載し、バスへ誘導した。
バスに乗りブリーフケースを見ると、タイマーがセットしてある。ペレスは、長官よりイーサンの死から国内のテロ情報が200件にも及んでいると言われ、地下36Fにあるイーグルアイへ案内された。
ここはごく一部の人間しか立ち入りが許可されていない。イーグルアイは極秘に開発された人口知能で、通称「アリア」。アリアの仕事は国内のあらゆる脅威を予測して警告・処理するシステムであり、アリアの警告に常に対応できるよう、24時間大勢で担当がついていた。
イーサンと一緒に交代制で担当をしていたボウマン少佐によると、イーサンはあの夜、3分早く持ち場を離れていたという。そしてそれは絶対にありえないことだと言葉を強めた。
謎の女の正体
ジェリーとイーサンはバスを降り、人気の多い場所を歩いていた。すると近くの公衆電話が鳴る。電話に出ると例の女だった。
ジェリーは我慢の限界が来て電話を切ったが、再び電話が鳴る。断固として動こうとしないジェリーに、女は2人を電気店のホームシアターコーナーへ向かうよう指示する。そして「そこで待ってる」と言い電話を切った。
ホームシアターのコーナーへ来た2人は、声を掛けてきた店員を追い払い、部屋に鍵をかける。すると、例の女の声が聞こえ、画面に映像が流れ始めた。そう、女の正体は人工知能を持ったコンピューターだったのだ。
性格や趣味、何歳で歩き始めたかまで、向こうにはジェリーの人生全てお見通しだった。自発的な性格の兄イーサンに比べ、面倒臭がりなジェリーは強制的に動かすしかなかったと言う。
イーサンはただの広報担当だとジェリーが反論すると、それは表向きの役職で、本当は対テロの部門で人工知能アリアを担当していたと言う。そこで映像は途絶え、2人は次の場所である空港へ向かうよう指示された。2人は再びバスに乗る。
捜査官との攻防戦
モーガン捜査官は、ジェリーたちに襲われた警備員に聞き込みを行っていた。どうやって銃を持っていたのか。言われた通りに銃を構えると、明らかに銃の扱いに慣れていない素人の構え方だった。
不審に思うモーガン捜査官。その後、近所の防犯カメラを見ていた時、バスに乗ろうとするジェリーたちを見つけ、後を追うことにした。
しばらくしてジェリーとレイチェルは空港へ到着。搭乗の手続きを行う。荷物のX線検査は、アリアが画像をすり替え難なくクリアした。そこへモーガン捜査官も到着。ジェリーたちを見つけたモーガンは後を追った。
アリアの指示のもと逃走し続けるジェリーとレイチェル。何とか振り切り貨物飛行機へと隠れた。
するとブリーフケースのタイマーが0になり、蓋が開く。中には謎の注射器が2本入っていた。貨物室では気圧が低くなるため、心拍数をさげて酸素消費を減らすためだった。そのまま2人は貨物飛行機の荷台に身を隠し、すぐに飛行機は離陸した。
アリアの暴走
その頃ペレスは、アリアの担当官であるボウマン少佐と共に、イーサンが死んだ日のビデオログを見ていた。アリアに再生してもらい確認すると、ペレスはイーサンが席を立つ場面が何やら引っかかる。何度も再生し見直すと、イーサンは手に持っていた携帯電話のライトを使って、モールス信号を送っていたことが分かった。ボウマン少佐に読み取ってもらうと、それは「FIRE」だった。そのことが分かるとアリアは突如としてデータを消去してしまう。
アリアの明らかに不信な誤作動に2人は怪しむ。ボウマン少佐は1箇所だけ死角になる場所があると、その場所へペレスを連れて行った。そこには「FIRE」と書かれた小窓の中に、消火器とメモリーカードが入っていた。
携帯電話にメモリーカードを差し込み再生をすると、イーサンが「アリア、君にそんな権限はない」と言っている様子が写っている。
イーサンが撮ったこの証拠映像で全ての全貌が明らかになった。ペレスがモーガン捜査官へ伝えようと連絡するが、音声を探知したアリアがノイズを出して妨害する。仕方なくペレスはボウマン少佐を連れ、国防長官を完全防音室に呼び出した。
ギロチン作戦
アリアによるハッキングを避けるため、インカムを外し電話線を抜く。完全に防音されてしまったアリアはカメラを使って読唇術で解析しようとするも読み取れない。ペレスはイーサンの隠し撮りした録画データを長官へ見せるため、端末をテーブルに置いた。するとアリアは、再生される音声のほんのわずかな振動を使って読み取っていく。映像には暴走したアリアとイーサンの会話が写っていた。
アリアは3日前に行われた中東での機密作戦にて、自らが中止の勧告をしたにもかかわらず大統領の権限のもと作戦を実行したため、その報復としてアメリカ国民がテロの犠牲になっている事に懸念を示していた。
愛国者法により「国の安全を脅かす原因を排除できる」という言葉を文字通り解釈したアリアは、元凶となったアメリカ大統領、そしてその継承順位に立っている者全員の抹殺を目的とした「ギロチン作戦」を実行しようとしている。
それに気づいたイーサンがアリアを緊急停止。音声認証ロックをかけた。これによりギロチン作戦が実行出来なくなったアリアは、その夜イーサンを事故死に見せかけて殺害。
レイチェルのジレンマ
ジェリーとレイチェルがイーグルアイに到着。
ジェリーはアリアに言われた通りの操作をすると、ある文章を読まされた。それによりアリアの音声ロックが解除されてしまう。アリアはすぐさま「ギロチン作戦」を実行。
その様子を見ていたジェリーは全てを悟った。兄を殺したのはアリア。するとアリアが話し始める。あの日、自分の邪魔をしたイーサンを事故に見せかけて殺したと。
そして、アリアがジェリーを必要としていたのは、ロックをかけたイーサンと同じ声を持つジェリーに、ロックを解除してもらうためだった。
アリアは再びロックされないよう、ジェリーの殺害をレイチェルに命令する。このままでは命が危ないレイチェルの息子サムを想い「やっていい」とつぶやくジェリーだったが、レイチェルは結局殺せなかった。
その時、国防総省に到着したモーガン捜査官たちが中へ突入してくる。そのままジェリーを拘束したが、レイチェルはその場から逃走した。
モーガン捜査官
モーガンはジェリーを連れ出すが、大統領の命が危ないとサムが演奏する予定のケネディセンターへ向かった。その道中、今までの出来事をジェリーは全て話す。すると2人の会話を探知したアリアが街中の監視カメラを使って追跡。
軍の倉庫にあった攻撃型ドローンを遠隔操作して2人の元へ向かわせた。ドローンの攻撃を受けた2人は車を降りて逃げようとするも、モーガン捜査官の負傷によりジェリー1人で向かうことに。
モーガン捜査官は「役に立つ」といい自分の警察バッジをジェリーに持たせた。残ったモーガンは自らを犠牲にして車でドローンに突っ込む。ドローンは大破し、ジェリーはケネディセンターへ急いだ。レイチェルもその後ケネディーセンターに到着し、別のアリアに脅されていた議員と落ち合う。用意されていたネックレスを身にまとい。演奏会へ出席した。このネックレスはわずかな結晶で大きな爆発を起こせる特殊な物質でできている。そして音声起爆装置が息子サムの演奏するトランペットに仕掛けられていた。それは楽譜の最後の音を出すと爆発してしまう。
ジェリーの犠牲
そして、何も知らない会場に大統領が入場し、サムたちの演奏が始まってしまった。演奏が終わる前に何とか止めなければならない。その頃、ペレスとボウマン少佐は何とかアリアを止めようとしていた。
しかしアリアの反撃にあい、ボウマン少佐がやられてしまう。ペレスは必死に戦い、アリアを物理的に破壊することに成功した。
しかしアリアを止めても既にセットされた爆弾は阻止できない。モーガンにもらったバッジで会場に侵入したジェリーは、警備員を装い中へ入った。もう間に合わないと判断したジェリーは、テーブルの上に立ち天井めがけて数発発砲。銃声で演奏が止まり、辺りはパニックと化す。大統領は即刻避難させられ、ジェリーは警備員に撃たれ床に倒れた。レイチェルが駆けつけるがジェリーの意識はなく、悲しみにくれる。
再会
時が流れ、一命を取り留めたジェリーは国防長官より表彰を受けた。そしてサムの誕生日、ジェリーはプレゼントを渡しにレイチェルの家へ訪れ再会を果たした。
「イーグルアイ」の総合評価
★4.0
陰謀を企てた真犯人が分かるまでのドキドキ感が凄かったですね。電車を逆走させたり、タイミングよく指示を出したり、どこかで常に見られているような展開に、一体謎の女はどんな人物なんだと様々な想像をしました。ストーリーも展開が早く面白かったですが、現実と非現実のボーダーラインって感じの設定なので、若干好き嫌いが分かれそうです。ただ、私はオススメします!