ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人で残りの分霊箱を探す旅と、史上最凶の魔法使いヴォルデモートとの最終決戦を描く物語。Part1とPart2からなるこの「死の秘宝」では、アルバス・ダンブルドアの過去や、セブルス・スネイプの人生をかけた覚悟、そして今までの全てが解き明かされる。
杖の忠誠心
ホグワーツの周りには沢山のディメンターが取り囲み、その様子を校長先生となったスネイプが眺めている…。
ドビーを埋葬したハリーたちは「貝殻の家」に身を潜めた。ここはウィーズリー家の長男ビルの叔母の家で、騎士団の隠れ家の1つである。そこで、マルフォイの館から助けた銀行員のゴブリン、クリップフックに話を聞く。グリフィンドールの剣は森で見つけたもので、なぜベラトリックスが盗んだと騒いでいるのかハリーたちには理解できなかった。クリップフックは、ベラトリックスの金庫にも剣があるが、あれは精巧に作られた偽物で、本物はスネイプがこの夏にすり替えたと話す。そして、他にも何か盗んだかをしくこく聞いていたため、金庫に分霊箱があるとハリーは考えた。ハリーがベラトリックスの金庫に入りたいと言うと、クリップフックは手引きをする報酬としてグリフィンドールの剣が欲しいと持ちかける。ハリーは渋々了承した。
その後、杖屋のオリバンダーに盗んだ2本の杖を見せた。オリバンダーはベラトリックスの杖だと見抜き、慎重に扱うよう忠告する。そしてもう1本は、かつてドラコ・マルフォイのものだったが、杖の忠誠心が変わり、現在はハリーの物になっていると言った。オリバンダー曰く、杖が魔法使いを選ぶという。そしてハリーが死の秘宝について聞くと、オリバンダーは信じていない様子だった。しかし、ヴォルデモートがニワトコの杖を手に入れたことを伝えると、「もう君に勝ち目はない」と言う。
ベラトリックスの金庫
ベラトリックスに変身したハーマイオニーと、部下に変身したロン、そして透明マントを被ったハリーとクリップフックがグリンゴッツ銀行の受付へ行った。支配人に金庫を開けろと命じるが、支配人が少し渋っている。ハリーが後ろからこっそり服従の呪文をかけ、案内してもらえることになった。
一行はクリップフックが操縦するトロッコで貸金庫の場所へ向かうが、その途中で呪文を洗い流すとされる「盗人落としの滝」に打たれ、全員トロッコから落とされてしまう。滝に打たれたハーマイオニーとロンは、すっかり元の姿に戻ってしまっていた。仕方なく別ルートで向かうが、そこはドラゴンがいる場所を通らなければならなかった。クリップフックは、音が鳴るオモチャを鳴らしながら進む。その音を聞くと痛い目に遭うということを教え込まれているらしく、音を聞くなりドラゴンは辛そうに後ずさった。
そしてようやくベラトリックスの金庫の前に着き、支配人の掌紋で扉を開ける。中には金銀財宝が沢山置かれていた。するとハリーが、1番奥の高い棚に置いてあるカップから強烈な魔力を感じ、きっとあれが分霊箱に違いないと取りに行く。このカップは、ハッフルパフ寮の名前の由来となったヘルガ・ハッフルパフのカップだ。しかし、金庫の中にあるものには双子の呪文が掛けられており、触れると2つ、4つとどんどん分裂して増えていく。カップだらけになった金庫の中を何とか進み、分霊箱を手にしたハリー。するとクリップフックが入る手助けはするが、ここから出る手助けをするとは言っていないと、グリフィンドールの剣を持って逃走。ハリーたちが追いかけようとするも、オモチャを持ち去られてしまいドラゴンが暴れている。
ハーマイオニーはドラゴンの繋がれていた鎖を切断し、ハリーたちへ飛ぶよう叫ぶ。ドラゴンの背中に乗った3人は、見事グリンゴッツ銀行から脱出することに成功した。
アバーフォース
湖の上を飛ぶドラゴンから飛び降りた3人は岸に向かって泳ぎ、ずぶ濡れになった服を着替えた。ハリーはその時ヴォルデモートの映像が頭の中に入ってくる。それを見たハリーは、自分たちが金庫に入ったことも、分霊箱を追っていることもヴォルデモートは知っていると話す。そして次なる分霊箱は、レイブンクロー寮の名前の由来となったロウェナ・レイブンクローに関係がある物であることが分かった。ハリーはさっそくホグワーツへ行こうと提案する。
しかしスネイプが校長となった今では、そう簡単に学校に入れない。ハリーたちは、以前ハリーがホグズミード村へ行きたかった時に使った秘密の通路、ハニーデュークスの店の地下から学校へ侵入することにした。その頃ヴォルデモートは、「小僧が秘密を知った。全軍で奴らを探し出せ」としもべたちに命令する。クリップフックが手に入れたグリフィンドールの剣は、いつの間にか消えていた。
ハリーたちがホグズミード村に行くと、警報が鳴りデス・イーターたちが探し回る。そこへある老人が助けに来て家へかくまってくれた。この老人はダンブルドアの弟、アバーフォース。ドラコの家へ牢屋に閉じ込められた際、ドビーを寄こしたのはアバーフォースだった。ハリーは分霊箱を探すため、ホグワーツに侵入したいと言う。アバーフォースは「隠し事をしている兄を信じるのか?」と聞くが、ハリーは「先生を信じる」と言った。それを聞いたアバーフォースは仕方ないといった様子で、肖像画の中にいる妹アリアナへ何かを頼み、アリアナはどこかへ行く。
少ししてアリアナが戻ってくると肖像画は扉となりドアが開く。そして中からネビルが現れた。
ホグワーツを守れ
忍びの地図にあった7つの秘密の通路は全て閉鎖されたという。そしてハリーたちはネビルが案内する唯一の通路を通ってホグワーツへの侵入に成功した。ハリーを見るなり生徒たちは喜ぶ。ハリーはみんなに、レイブンクローに関係していて、小さく隠せる物はないかと聞いた。するとルーナが、ロウェナ・レイブンクローの失われた髪飾りではないかと言う。そしてチョウが、ティアラみたいな冠で、失われたのは何百年も前のため、見たことがある人は生きていないと教えてくれた。そこへジニーが来て、ハリーたちがホグズミード村に現れたことをスネイプが知ったと報告しに来る。
スネイプは生徒を大広間に集めると、「ポッターがホグズミードに現れた。奴を助けようとすれば罰を受ける。情報を持っていながら報告しなかった者も同様だ。」と脅しをかけた。するとハリーが目の前に現れ、ドアが開くと不死鳥の騎士団たちもやってきた。ハリーは「お前は信じていた先生を裏切り、殺した!」と叫ぶ。スネイプは咄嗟に杖をハリーへ向けると、マクゴナガル先生が庇い呪文をぶつける。スネイプはその場から逃げ、生徒たちは歓喜に満ち溢れた。すると急に悲鳴が聞こえる。それは1人2人と増えていった。みな耳を押さえて震えている。ヴォルデモートが、「ハリーを差し出せ。そうすれば危害は加えない。1時間待ってやる。」と生徒たちに訴えかけていたのだ。
スリザリンの生徒が「あいつを捕まえて!」と言うと、ハリーの仲間たちがハリーを守る。マクゴナガル先生はちょうどそこにやってきたフィルチを呼び寄せると、スリザリンの生徒たちを大広間から出し、地下牢に連れていくよう頼んだ。そしてハリーに必要なものがないか聞くと、ハリーは時間が欲しいと言う。先生はその間城を守ると言い、ハリーを行かせた。ロンはハリーへ、バジリスクの牙で分霊箱を破壊出来るはずだと言い、秘密の部屋にハーマイオニーと取りに行くと伝える。ハリーは後で見つけられるようにと忍びの地図を渡した。
マクゴナガル先生は、学校と陸地を結ぶ橋を盛大に爆破するようネビルに頼む。そしてホグワーツの城自体に「ピエルトータム・ロコモーター(全ての石よ、我に忠実に動け)」と命を吹き込む呪文をかけると、飾りだった石像の騎士たちが動き出した。整列した石像たちを前に、「ホグワーツを守りなさい」と命令する。「この呪文1度使ってみたかったんです!」と興奮するマクゴナガル先生。他の生徒たちは「最大の防御」の呪文をホグワーツの上空へ張り巡らせシールドを作った。
レイブンクローの失われた髪飾り
レイブンクローの談話室に向かうハリーをルーナが止める。「レイブンクローの失われた髪飾りを見たことがある人はもう生きていない。分からない?生きていないなら死んだ人に聞けばいいんだよ!」と教えると、「そっか!」と閃いたハリーはロウェナ・レイブンクローの幽霊に会いに行く。ハリーが髪飾りのありかを聞くが、彼女は教えたくなさそうだ。「以前、トム・リドルという青年が髪飾りを破壊すると約束したが、嘘だった。闇の魔法をかけて髪飾りを汚した!」と怒る。ハリーは思いやりを持って同情し、自分なら完全に破壊出来ると言った。するとロウェナは「城の中の全てが隠されている場所、知る者はただ求めればいい場所にある」と教える。
その頃、ヴォルデモートは沢山のしもべたちと共にホグワーツを離れた場所から眺めていた。1時間待ったがハリーは来なかった…と、失望している。ヴォルデモートはホグワーツへの攻撃を命令。デスイーターたちはホグワーツへ向けて攻撃をしかけるも、保護呪文によって防がれた。更に怒りを募らせるヴォルデモート。
いよいよ闘いが始まる
一方、ロンとハーマイオニーはバジリスクの牙を取りに秘密の部屋に来ていた。ロンが死んだバジリスクの口から牙を1本抜くと、今度はハーマイオニーに破壊するように言い、ハーマイオニーはハッフルパフのカップめがけて牙を振り下ろした。その瞬間、ヴォルデモートは苦しみ、周りから湧きあがった水がヴォルデモートの顔となりロンとハーマイオニーめがけて襲い掛かってくる。大量の水はロンたちへ振りかぶると弾けてなくなり、びしょ濡れになった2人は笑いあいながら初めてのキスをした。
デス・イーターたちが破れなかった保護呪文めがけて、怒り狂ったヴォルデモートが呪文を放つ。すると保護呪文は破られてしまった。しかし、ニワトコの杖にはヒビが入る。ネビルは爆破を頼まれた橋で保護呪文を隔てて入って来れないデス・イーターたちを挑発していたため、保護呪文が破られた瞬間に襲われた。必死に逃げながら全速力で橋を渡る。仕方なく途中で爆破を仲間に頼むと、デス・イーターたちが次々と橋から落ちていく。ネビルもギリギリな所で落下してしまったが、岩に飛びついて無事だった。
トロールたちがホグワーツを攻撃しにやってくると、石像たちが迎え撃つ。デス・イーターたちが別の場所からホグワーツへ侵入しようとするが、各所に配置された先生たちが迎撃していた。
5つ目の分霊箱を破壊
ハリーはロウェナに聞いた言葉を元に「必要の部屋」に来ていた。ちょうどその頃、ロンとハーマイオニーがハリーを探しに忍びの地図を見ており、突然ハリーの足跡が無くなったことから、必要の部屋に入ったのだと推測。2人もそこへ向かうことにした。
ハリーは必要の部屋の中を探し、感じる魔力を頼りにレイブンクローの失われた髪飾りを見つける。その時、ドラコとその舎弟のゴイル、クラップが現れ、杖を返せと言った。ハリーはドラコへ、マルフォイの館にてブサイク顔にされたハリーに気づいていたにも関わらず、ベラトリックスに教えなかったのはなぜかと聞く。その瞬間、ロンとハーマイオニーが現れ、ドラコたちを攻撃。ゴイルが反撃し、部屋に火をつけると、瞬く間に広がり大きな炎がハリーたちを襲った。箒で逃げようとするが、ドラコたちも炎に巻き込まれガラクタの上に登っている。途中、ゴイルが炎の海へ落下し、ハリーとロンは仕方なくドラコとクラッブを救出。間一髪のところで必要の部屋を脱出し、助かった。
ハリーはバジリスクの牙で髪飾りを破壊。ロンは閉じていく炎に包まれた必要の部屋をめがけて蹴り入れた。更に1つの魂を失ったヴォルデモートは弱り、相方の大蛇ナギニと共に安全な場所へ逃げる。ハリーは常に傍に置いているナギニが分霊箱だと考えた。そしてヴォルデモートの心を読むと、湖の船着き場にてドラコの父ルシウスへ「スネイプをここに連れて来い。」と言っている情景を見る。ヴォルデモートの居場所が分かったハリーたち3人は、湖の船着き場へ向かった。
スネイプの死
港へ着くと、スネイプを呼び出したヴォルデモートが何やら話している。ヴォルデモートが杖が言う事を聞かないと言うと、スネイプは「ニワトコの杖こそが最強で、その持ち主はあなた様にある」と伝える。しかしヴォルデモートは、この杖は前の主を殺した魔法使いに帰属するため、ダンブルドアを殺したスネイプが生きている限り自分の物にならないと話す。そして「今までよくやってくれた」と言い、ナギニに襲わせる。その様子を壁の向こう側で聞いていたハリーたち。ヴォルデモートが去ったのを確認してスネイプの元へ駆け寄る。
首から流れ出る血を必死に止めようとするハリーに、スネイプは涙を流し、それを取るよう言った。ハリーはハーマイオニーから小瓶をもらい、スネイプの涙をすくい取る。そしてスネイプは「それを憂いの篩(ふるい)へ。私を見てくれ…。」と言い、ハリーを見つめながら「リリー(ハリーの母)と同じ目をしている」と言うと息絶えた。
ヴォルデモートはホグワーツを襲っている全員に一時休戦を申し出てデス・イーターたちに撤退を指示。そしてハリーへ1人で禁じられた森へ来いと言い、来なければ全員殺すと脅した。ハリーたちがホグワーツへ戻ると、大広間で闘い疲れたみんなが休んでいる。多くの人が亡くなり、その中にはロンの双子の兄フレッドや、ルーピン先生と妻のトンクスもいた。ハリーは兄を亡くしたロンへハグをすると、スネイプの記憶を持って校長室へ向かう。
スネイプの本当の姿
校長室についたハリーは「憂いの篩」の水盆へスネイプの涙を垂らし、記憶を見る。スネイプとハリーの母リリーは幼馴染だった。明るい性格のリリーと一緒にいるうちに、引っ込み思案だったスネイプにも笑顔が増えていった。2人はホグワーツへ入学するが、リリーはグリフィンドール寮に、スネイプはスリザリン寮に振り分けられ、少しずつ距離ができていく。その後、リリーはハリーの父ジェームズと恋に落ちるが、それでもスネイプはリリーを見守っていた。
やがて時が過ぎ、ヴォルデモートが預言で「7月末に生まれる男の子が自分を滅ぼす」との情報を得る。その時リリーとジェームズは結婚し、子供(ハリー)の出産を7月末に控えていた。予言の件を知ったスネイプが、ヴォルデモートは子供だけでなく両親をも殺すと言い、ダンブルドアにリリーだけでも守るよう頼む。ダンブルドアはスネイプの一途な愛に驚き、その見返りを求めた。スネイプは何でもいう事を聞くと自らを差し出す。
しかしリリーは殺されてしまった。リリーはハリーへ愛の呪文をかけ、ヴォルデモートから守ったのだ。スネイプはリリーが殺された件でダンブルドアを責める。ダンブルドアは「ハリーの両親は間違った人間を信用した。闇の帝王が復活した時、ハリーが危険に陥る。」と言うと、スネイプは「命をかけてあの子を守る」と答え、この件は誰にも言わないよう約束させた。
時が経ち、リリーと同じ目を持つハリーがホグワーツへ入学してくる。スネイプはリリーを愛する気持ちと、自分をいじめていたジェームズを憎む気持ちの狭間で揺れながらもハリーを陰で見守ってきた。スネイプはその後もダンブルドアに忠実に仕えながら、敵であるヴォルデモートの手下として組織に潜入し、二重スパイとして情報を得る。しかしある時、ダンブルドアが2つ目の分霊箱である指輪を破壊した際に呪いを受け1年ももたないと知ると、ダンブルドアはスネイプへ自分を殺すよう頼む。そうすればヴォルデモートの信頼も完全に得られるだろうと見込んでいた。スネイプは最初は拒否したが、渋々承諾する。そしてダンブルドアは続けてあることを話した。
最後の分霊箱
「時が来たらあることをハリーに告げよ。但し、ダンブルドアが完全に弱るまでは待て。実は、ヴォルデモートがゴドリックの谷でハリーを殺そうとした時、リリーが盾となって呪いを跳ね返した。破壊されたヴォルデモートの魂の一部は、思いがけずハリーへと宿ったのだ。だからハリーは蛇語を話せるし、ヴォルデモートの心が読める。ハリーは意図せず分霊箱となってしまった。ハリーは時が来たら死なねばならぬ。」と。
スネイプはその話を聞き、「死ななければならない運命だと知っておきながら、時が来るまで家畜のように生かしておくと言うのですか!」とダンブルドアを責めた。しかしダンブルドアは「ハリーは死なねばならぬ、ヴォルデモート自身の手によって。」と断固として譲らない。スネイプは少しでもハリーを守るため、パトローナム(守護霊)を放つ。スネイプの守護霊はリリーと同じ牝鹿で、ハリーがグリフィンドールの剣を森の池の中で見つけた際に導いてくれた守護霊は、この時スネイプが放ったものだった。
敵だと思っていたスネイプが、誰よりも自分の味方をしてくれていたことに死後になって気づき、激しくショックを受けるハリー。そしてヴォルデモートを倒すために自分が死なねばならない運命を知り、呆然とする。ハリーはロンとハーマイオニーに森へ行くと伝える。ハーマイオニーが何を知ったのか聞くと、なぜいつも声が聞こえていたのか気づいたと言った。そして2人へ大蛇ナギニを殺すように頼むと、1人森へ向かう。
森へ入りハリーが金のスニッチを出す。口をつけると「私は終わる時に開く」という文字が浮かび上がり、今度は中が開く。中には死の秘宝の1つである「蘇りの石」が入っていた。ハリーが石を手にすると、ハリーの前に両親のジェームズとリリー、そしてシリウス、ルーピン先生の姿が現れる。リリーが「あなたは勇敢だった」という。ハリーは「僕のためにみんなを死なせたくなかった」と謝った。みなが最後までハリーと一緒にいると勇気づけ、ハリーは死を覚悟してヴォルデモートの元へ向かう。
蘇りの石
森の中ではヴォルデモートをはじめ、沢山のデス・イーターたちが待ち構えていた。ハリーが前へ出ると、ハグリッドが人質になっている。ハグリッドはハリーを見るなり「こっちへ来るな!逃げろ!」と叫ぶが、ハリーはヴォルデモートに「死の呪い」を受けその場に倒れる。
ハリーは真っ白な世界で目を覚ました。そこへダンブルドアが迎えにくる。なんとなく、キングスクロス駅のホームに似ていた。ベンチの下に何かがあるのを発見してハリーが覗くと、弱ったヴォルデモートの一部があった。ダンブルドアは、ヴォルデモートの一部がハリーの中で生きていたが、ヴォルデモートによって破壊されてなくなったと言う。そして「君が望むなら帰れるだろう」というと、ハリーは戻って戦うことを決意する。しかしヴォルデモートを倒す術が分からないハリー。ヴォルデモートは「ホグワーツでは、助けは相応しい者に与えられる」と言い残し消えていった。
森では、横たわったハリーを見て確認して来いとドラコの母ナルシッサが命じられる。ナルシッサは小さな声で「ドラコは生きているの?」と聞くと、生き返ったハリーが小さく頷いた。それを確認すると、ナルシッサはヴォルデモートへ「死んでる」と嘘を伝える。
ネビルの勇気
ハグリッドがハリーの亡骸を抱え、ヴォルデモートとナギニ、デス・イーターたちと共にホグワーツへやってくる。それに正門のところにいたネビルたちが気づいた。そこにいたジニーが「ハグリッドが抱きかかえているのは誰?」と聞くと、「ハリー・ポッターは死んだ!」とヴォルデモートが伝える。泣き崩れるジニー。続けてヴォルデモートは集まってきた生徒たちへ「降参しろ、さもなくば死ね。」と警告した。
ヴォルデモートと共にやってきたルシウスが、ホグワーツにいる息子ドラコへ「こっちへ来い」と弱弱しく言う。ドラコが向かうと、父親の手をはねのけるように母ナルシッサがドラコの肩をを抱え群衆の後ろの方へ行った。すると臆病だったネビルが前へ出て叫ぶ。
「毎日人が死んでいる。友達や家族が。今夜、僕らはハリーを失った。でも、ハリーは僕たちと共にいる。ここに(胸を差す)。フレッドも、リーマスも、トンクスも。彼らの死は無駄じゃない。だがお前は違う!お前は間違ってる!ハリーは僕らのために生きた!闘いは終わってない!」
そして現れたグリフィンドールの剣を持って構えた。死んだフリをしていたハリーは抱きかかえていたハグリッドの腕をすりぬけ、ナギニを攻撃。ヴォルデモートはハリーが生きていたことに衝撃を受けつつも反撃する。するとしもべたちデス・イーターが逃げ、マルフォイ一家はその隙に立ち去った。生徒たちはハリーが生きていた事に喜びつつホグワーツの校内へ避難する。
最終決戦
ナギニを連れて消えたヴォルデモートはホグワーツの校内に現れ、ハリーと戦う。ハリーが持っていたバジリスクの牙を燃やしハリーを拘束。ナギニはロンとハーマイオニーに襲いかかり、ロンは持っていたバジリスクの牙を落としてしまった。ベラトリックスはロンの母やジニーたちを襲い、呪文がジニーへ当たると「娘になんてことを!」と呪文で猛攻撃をしかけ、ベラトリックスを撃破する。
ヴォルデモートの杖は、スネイプを殺しても言う事を聞かなかった。ハリーは「杖の主が他の誰かだったら?」と挑発する。そしてヴォルデモートに掴みかかると、「終わらせよう、2人で!」と言い、城の塔の上からヴォルデモートを引きずり降ろした。地面へ落下していく2人。かろうじてヴォルデモートが地面スレスレで立て直し、ハリーと継続して戦いが続く。お互いの杖から発せられた巨大な交戦が、中央で交わった。
バジリスクの牙を落としてしまったロンは、襲い掛かってくるナギニを前に諦め、ハーマイオニーへ覆いかぶさった。するとそこへ間一髪ネビルが現れ、グリフィンドールの剣でナギニの首を跳ね飛ばす。最後の分霊箱を破壊されたヴォルデモートはその場に立ち尽くし、灰のように散って消滅した。
杖の持ち主
戦いを終えたハリーが校内へ戻ると、ハグリッドと健闘を称えあう。そしてロンとハーマイオニーの元へ。ボロボロになったホグワーツの外を出て瓦礫を避けながら歩く。ハーマイオニーはなぜヴォルデモートの杖がいう事を聞かなかったのかを尋ねると、別の主がいたからだとハリーは答えた。ダンブルドアが死んだ時、ダンブルドアの杖を奪ったのはドラコだった。杖の主はドラコだったのだ。そしてハリーがドラコの杖を盗んだため、最終的には僕の杖だと説明する。ロンは「その杖があれば僕らは無敵だ」と言うと、ハリーはニワトコの杖を折って谷へ投げ捨てた。
19年後…
イギリス・ロンドン。9と3/4番線のホームでは、魔法使いの子供たちであふれていた。ハリーはジニーと結婚し、今年ホグワーツに息子が入学する。しかし息子は新生活に自信がなく、ホームに座り込んでしまう。「スリザリンになったらどうしよう…」と弱音を吐く息子をハリーは立ち上がらせ、「アルバス・セブルス・ポッター。偉大な魔法使いだった2人の校長先生から取った名前だ。そのうち1人はスリザリンだった。きっと上手くやれるよ。それに組み分け帽子は意向を汲み取ってくれる。」と言うと、息子はホッとしたように笑みを浮かべた。
電車に乗り込もうと急ぐ息子の先には、ロンとハーマイオニー、そして今年からホグワーツへ入学する2人の娘が立っている。ハリーたちに気づくと笑顔を浮かべた。そしてハリーとジニー、ロンとハーマイオニーは、共に子供たちをホームへ見送った。
「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2」総合評価
星4.8
この映画を見て、スネイプの沼にハマりました(笑)意地悪な先生だなと思っていたスネイプが、誰よりもハリーを案じていた。全てを見終えると、各キャラクターへの見方が変わるのではないでしょうか。あの臆病だったネビルが勇者のごとく闘い、仲間を守る為に強くなれる人たちは本当にカッコイイですね。とても愛と勇気にあふれる作品だったと思います。かなりの長い時間をかけて見てきたハリーポッターシリーズですが、是非、もう1度最初から見てみてください!全てを知った後に見返すと、沢山の伏線が見えてきます。決してスネイプはハリーに意地悪をしている訳ではなかったと、陰でしっかり守っていたと分かるはずです。そしてハリーポッターシリーズは他にもあり、ハリーたちの時代よりも数十年遡った魔法世界の起源を舞台にした「ファンタスティック・ビースト」シリーズも合わせて見ていただけるとより、深くハリーポッターの世界をご覧頂けると思います♪