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「ハリ・ポッターとアズカバンの囚人」あらすじと感想。シリーズ第3弾!!

⑰ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

ホグワーツ魔法学校の3年生となったハリー・ポッター。奈落の監獄アズカバン収容所から脱走した囚人シリウス・ブラックがハリーを狙っているという噂が広まり、この騒動を通じて両親の死にまつわる真実を知ることになる1年間の出来事。シリーズ最高傑作と言われる声も多く、登場人物もこれからのハリーに欠かせない人たちばかりです。

謎の黒い犬

夏休み。ハリーはダーズリー家に帰省していた。その日は父バーノンの兄弟であるマージおばさんがやって来て、ハリーを奴隷のように扱う。嫌味悪口を散々言った挙句、ついに母親の事を悪く言われたハリーは「だまれ!!」とブチ切れた。ハリーの怒りは大きく、地鳴りがすると同時にグラスが割れる。すると、次第におばさんが膨らみ始めた。みるみるうちに膨れていき、風船のようにまん丸になった体はついに宙に浮き、空へ飛んで行く。

「マージを元に戻せ!」と怒り心頭のバーノンへ「自業自得だ!」と言い放ち、ハリーは自分のスーツケースを持ってダーズリー家を飛び出した。行く当てもなく夜の公園で座っていると、通りの向かいの茂みから1匹の黒い犬が顔を出す。犬はハリーを威嚇している様子で、突如吠えられたハリーは驚いて段差につまづき尻もちをついた。

その時、どこからともなくバスがやってきてハリーの前に止まる。すると車掌が「迷子の魔法使い緊急お助けバスです」と挨拶した。バスに視界を遮られたハリーは、もう一度犬の方を見たが、既にいなくなっていた。「漏れ鍋」という店を行先に指定すると、運転手のアーニーは猛スピードで急発進する。

漏れ鍋

ハリーはふと車掌が読んでいた新聞に目をやった。そこには、シリウス・ブラックがアズカバン収容所を脱獄したとの記事が1面になっている。ハリーがシリウス・ブラックについて車掌に聞くと、ヴォルデモートの子分で殺人犯だと教えてくれた。

漏れ鍋に着くと、案内人が部屋に通す。そこには魔法大臣のコーネリウス・ファッジがいた。彼はハリーが家で魔法を使った件を話し始める。未成年が休暇中に魔法を使うことは禁じられているため、退学を覚悟したハリーだったが、コーネリウスは魔法で時間を巻き戻し、記憶を修正して事なきを得たとハリーを大目にみてくれた。そして、ハリーの新しい教科書を準備し、漏れ鍋へ泊まるよう助言する。

翌朝の夏休み最終日。ハリーが1階へ行くと、ロンとハーマイオニーが何やら言い争っていた。どうやらハーマイオニーの猫クルックシャンクスが、ロンのねずみスキャバーズを追いかけ回しており、ロンが抗議している。2人に会えて嬉しいハリーが挨拶をしに行くと、ロンの父アーサーに呼ばれた。アーサーは、「シリウス・ブラックがハリーを殺してヴォルデモートを復活させるためアズカバンから脱獄した」とハリーに伝える。そしてくれぐれも気を付けるようハリーに忠告した。

ディメンター

その後、ハリーたち3人はホグワーツへ向かうべく列車に乗った。空いている個室がなく、1人眠っている男の人がいたが、仕方なく3人はそこへ座ることにした。一体この男性は誰なのかロンが言うと、「ルーピン先生よ」とハーマイオニーが答える。カバンに名札がかかっていた。そして、ハリーは2人へシリウス・ブラックに狙われていることを話す。すると突然列車が急停車した。

灯りが消え、窓ガラスが凍ってゆく。すると、列車の通路からアズカバン収容所の看守である吸魂鬼ディメンターがやってきた。ディメンターはハリーを襲い、魂を吸い取っていく。直後に、寝ていたルーピン先生が起き上がって杖をかまえ、ディメンターを追い払った。「ハリー!」と叫ぶ女の人の声を聞いて、ハリーは気を失う。しばらくしてハリーは意識を取り戻し、列車は無事に到着した。

ホグワーツの大広間に生徒たちが集まり、新学期の挨拶をダンブルドアが行う。新任の先生として、「闇の魔術に対する防衛術」のルーピン先生、「魔法生物飼育学」のハグリッドを紹介した。そして、シリウスが脱獄した件にも振れ、魔法省の要望でホグワーツの警備をアズカバンの看守であるディメンターが行う事となったことを報告する。そして血も涙もないディメンターへ、襲わせる理由を作るでないぞと生徒たちに忠告した。

ハーマイオニーの謎

ハリーとロンがトレローニー先生の占い学の授業を受けていると、いつの間にかハーマイオニーが2人の間に座っていた。驚くロンに、最初からいたと言うハーマイオニー。そして、ティーカップで占いをやってみると、トレローニー先生はハリーのカップを見るなり恐れおののき、「グリム(死神犬)」がついていると言った。ハリーそれを聞いて心配になる。

次の授業への移動中、ロンはハーマイオニーの謎をハリーに話した。ハーマイオニーは、占い学の他にルーン文字の授業も取っていると言っていたが、同じ時間に行われる2つの授業に両方出席するのは不可能。一体どうやっているのかと聞くが、ハリーもサッパリだった。

ハグリッドの「魔法生物飼育学」

ハグリッドの魔法生物飼育学の授業。ハグリッドは生徒たちを森へ連れていき、「怪物的な怪物の本」を背表紙を撫でてから開くように言う。留め具を外すと勢いよく噛みついてくるこの本に、ネビルは制服をボロボロに食いちぎられていた。

ハグリッドは誇り高く怒りっぽい大きな鳥、ピッポグリフのバックビークを生徒たちに紹介する。一礼をし、相手も礼を返して来たら触っていい証拠だと言った。試しにハリーがやることとなり、まずは一礼。バックビークが礼を返したため、近づいて頭を撫でた。するとバックビークはハリーを気に入り、背中に乗せて空を飛ぶ。

ホグワーツの周りを一周して戻ってきたハリーに、みんなが拍手で迎えた。それを面白く思わないドラコは、ハグリッドの言いつけを破り無断でバックビークに近づく。怒ったバックビークはドラコの腕を前足で蹴り飛ばした。ドラコは大げさに痛がり魔法省にいる父に言いつけてやると悪態をつく。ハグリッドはドラコを医務室へ運ぶため、授業は中止になった。

ルーピン先生の「闇の魔術に対する防衛術」

タンスに閉じ込めたマネ妖怪のボガートで授業を行うルーピン先生。最初に説明をしていると、またハーマイオニーがいつの間にか授業に参加していた。ボガードは相手が1番怖いと思うものに姿を変えるため、呪文「リディクラス」で怖いものを笑えるものに変化させる。ロンのボガートは蜘蛛に変身したため、リディクラスで蜘蛛の足にローラースケートを履かせ転ばせた。ネビルのボガートはスネイプ先生に変身する。本物そっくりの姿に戸惑うが、勇気を出してリディクラスと呪文を唱えると、スネイプ先生が女装した姿に変わり生徒たちは爆笑した。

そしてハリーの番がくる。ハリーのボガートはディメンターに変身してしまった。襲われそうなハリーをルーピン先生は盾となり前に立つと、ボガートは満月に変わった。それをリディクラスで風船にかえ、再びタンスに閉じ込める。授業は少し早いがこれで終了となった。

リリーとジェームズ

3年生になるとホグズミード村への外出が許可される。この日もマクゴナガル先生によるご褒美で遊びに行ける事になり、生徒たちはワクワクしていた。しかし外出には両親の許可証が必要となり、許可証を持っていないハリーは残念ながらお留守番となってしまう。

学校に残ったハリーは、なぜボガートとの対決を阻止したのかをルーピン先生に聞いた。先生は、阻止しなければヴォルデモートの姿になると思ったと言う。列車でディメンターに襲われた際に聞いた女性の悲鳴は、母親の声だったとハリーは思い先生に話す。ルーピンは「君の母親リリーは、才能がある魔女でとても心の優しい女性だった。反対に父親のジェームズはトラブルを起こす名人。君はその才能を受け継いだらしい。」と話してくれた。ルーピン先生が両親と仲が良かったことをハリーは嬉しく思った。

その後、ホグズミード村からみんなが帰ってくる。楽しかったとハリーへ話しながら寮へ向かうと、寮の入口にある動く絵が破られ、中にいた婦人が消えていた。やってきたダンブルドアが婦人を探すと、他の絵の中に隠れて怯えていた。何があったのか聞くと、シリウスが来たと言う。ダンブルドアはホグワーツの城の門を閉じ、生徒たちを大広間に集めて寝させることにした。

狼人間

ある日、ルーピン先生の授業を受ける予定だったが、スネイプ先生が教室に来た。ルーピン先生は授業ができる状態ではないため、スネイプ先生が代わりに「狼人間」の授業をすると言う。スネイプ先生が狼人間について生徒たちに質問すると、ここでもいつの間にかやってきたハーマイオニーが答える。「動物もどきは自分の意思で変身するが、狼人間は満月によって変身する。狼に変身してしまうと我を忘れ友達をも殺してしまい、同じ仲間の声にだけ答える」と言った。

クィディッチでの出来事

次の日、大雨の中クィディッチの試合が行われ、スニッチを追いかけていたハリーが、ホグワーツを警備していたディメンターに再び襲われる。気を失ったハリーが箒から落ちて落下してきた。生徒たちは目をそむけたが、間一髪のところでダンブルドア校長が呪文で助ける。

ハリーが目を覚ますと、心配した友人たちが見守っていた。ディメンターがグラウンドに入ってきた事に怒り、ダンブルドアが追い払ったと言う。それと…とバツが悪そうに友人が話しだすと、暴れ柳にぶつかって壊れた…と折れた箒をハリーに渡した。

ハリーはルーピン先生に、なぜ自分ばかりディメンターに影響されるのかを聞くと、ハリーの過去に恐怖があるからだと教える。

忍びの地図

冬になり、生徒たちは再びホグズミードへ行く機会を与えられた。あの義理の両親から許可証などもらえるはずもないハリーは、どうしても行きたくて透明マントを使う。雪に足跡だけを残しながら歩いていると、ロンの双子の兄フレッドとジョージに捕まった。2人はハリーを建物の陰へ連れて行くと、いい物をやると言って「忍びの地図」をあげた。

「我、よからぬ事を企む者なり」と唱えると学校の地図が浮かび上がり、足跡で誰がどこにいるのかが分かるようになる。いたずら好きのフレッドとジョージは、1年の時に職員のフィルチからこの地図を盗んでいた。2人曰く、城から抜け出す秘密の通路は7つあり、オススメが「隻眼の魔女の道」で、お菓子の店「ハニーデュークス」の地下室に出るとのこと。地図を使い終わったら「いたずら完了」と唱えるとただの紙に戻る。

ハリーはフレッドとジョージに言われた通りの抜け道を行き、ハニーデュークスの地下室へ出た。透明マントを羽織りホグズミードを堪能する。その頃、「叫びの屋敷」と呼ばれている幽霊屋敷を見ていたロンとハーマイオニーをドラコがバカにして嘲笑っていた。ハリーは透明マントを被ったままドラコに雪玉を投げつけ、足をすくって転ばせたあとに引きずりまわす。姿が見えず、幽霊だとビビりまくったドラコは半泣き状態で逃げて行った。

シリウス・ブラック

その後、「三本の箒」というパブに魔法省大臣のコーネリウスとマクゴナガル先生がコソコソと入って行くのが見え、ハリーも後を追う。透明マントを被り店の中へ入ると、シリウスがハリーを狙っていると話していた。シリウスはハリーの両親が隠れていた場所をヴォルデモートに教えて殺させたうえ、友人のピーター・ペティグリューをも殺し、彼の亡骸はたった指1本だったと。そしてシリウスはハリーの名付け親でもあった。ハリーは衝撃を受けて店を出る。

外で待っていたロンとハーマイオニーは、店から出て行ったハリーを追いかけた。ハリーは辛そうに、シリウスが両親を裏切ったと話す。

守護霊呪文

春になり、ハリーはルーピン先生にディメンターを追い払うための守護霊を出す呪文「エクスペクト・パトローナム」を教わることにした。ルーピン先生はボックスの中からマネ妖怪のボガートを出し、ハリーに練習させる。家族や家、そういった幸せな思い出や愛が強さとなるこの呪文。ハリーは習った通りにこの呪文を唱えるが、思い出が弱く上手く呪文を発せられずに気絶してしまう。エクスペクト・パトローナムは高度な呪文のため、誰もが簡単に出せるものではない。ルーピン先生は気にせず、思いを強く持って挑むよう助言し、再びハリーに練習させた。

2回目。ハリーは両親のことを強く思い浮かべ、パトローナム(守護霊)を呼び寄せることに成功。ディメンターを見事追い払うことができた。たった2回で成功させたハリーにルーピン先生も驚いている。

ピーター・ペティグリューの足跡

ある日、ロンのねずみスキャバーズがいなくなり、ロンはハーマイオニーの猫に襲われたに違いないと騒ぎ立てていた。そして、ドラコにケガを負わせたバックビークの件で聴聞会が開かれ、父ルシウスの意見によりバックビークが処刑されることとなった。そのことにハグリッドはすごく悲しんでいる。

その夜、ハリーが部屋で「忍びの地図」を見ていると、シリウス・ブラックに殺されたはずのピーター・ペティグリューの足跡が校内を歩き回っていた。不審に思ったハリーは足跡を追って行く。ついに足跡はハリーの方へ向かってきていて、もう目の前という所にいるが、周りには誰一人として居ない。

その時、巡回していたスネイプ先生に見つかってしまった。スネイプ先生はハリーが持っていた「忍びの地図」を見せろと取り上げ、「汝の秘密を現せ」と呪文をかけた。中を開くと「他人に対する異常なお節介はお控えくださるよう…」と書いてあった。忍びの地図がバレずに済んでホッとしたハリー。そして偶然ルーピン先生もその場を通りがかり、話を聞く。ルーピン先生は調べるために預かると言い忍びの地図を手に取ると、ハリーを連れて行った。ルーピン先生は、この地図がシリウスの手に渡ったらハリーの居場所が知られてしまうと地図を預かった。ハリーは死んだはずのピーター・ペティグリューの足跡があったと伝えるとルーピンは驚く。そんなはずはないと言ったが、ハリーは確かに見たと訴えた。

ハグリッドの小屋で

バックビークの処刑の日、物陰に隠れて笑いながら見物していたドラコをハーマイオニーが思わず殴る。人を殴ったのは初めてだと興奮状態のハーマイオニー。ハリーとロンはただただ驚いていた。その後、ハリーたち3人はハグリッドの小屋へ行く。

ハグリッドはロンのねずみを見つけたとロンに返した。その時、窓の外から石が投げられ、机の上にあった壺が割れる。それはハリーの頭にも当たった。石が飛んできた方を見ると魔法大臣のコーネリウスとダンブルドア校長が処刑人を連れてこちらへ向かっているのが見えた。ハグリッドは3人に帰るように言う。

3人はハグリッドが玄関で出迎えている間に裏口から逃げた。小屋の前にあった大きなかぼちゃの山に隠れる。その時、後ろの林の中から物音がして振り返ったハーマイオニー。誰かを見たような気がしたが、気のせいだったようだ。その後、丘の上へ行った3人は、遠くから処刑人が斧を振り下ろすのを見た。

真犯人

鈍い音を聞き悲しんでいると、ロンのねずみスキャバーズが逃げ出す。ロンが追いかけていくと、ハリーが公園で見たあの黒い犬が現れた。すると犬はロンの足を引っ張り、暴れ柳の根元にあった穴へロンを引きずり込んでしまう。ハリーとハーマイオニーは助けようとするが、大きく暴れる柳の枝に歯が立たない。しばらくして、何とか振り回す枝に捕まり2人も穴へ入ることに成功した。

穴は、「叫びの屋敷」へと繋がっていた。ハリーたちが階段を登ると、部屋の中にスキャバーズを抱いたロンとシリウス・ブラックがいる。黒い犬の正体はシリウス・ブラックだった。ハリーはシリウスを見るなり掴みかかる。馬乗りになり、今にも親の敵をうとうとしていた。その時、ルーピン先生が現れる。先生はハリーを一旦下がらせると、あろうことかシリウス・ブラックに手を差し伸べ、彼を起き上がらせると熱いハグをしたのだ。

シリウスは「奴を見つけた!殺そう!」と興奮している。ハーマイオニーは、ルーピン先生は狼人間で、シリウスの仲間だと確信した。だから満月だった日に授業に出られず、代わりにスネイプ先生が来たのだと。ルーピン先生までもが敵だったのかと絶望と怒りに満ちたハリー。するとルーピン先生がシリウスは犯人じゃないと言う。ならば誰が犯人なのかとハリーが聞くと、「ピーター・ペティグリューだ」とシリウスは答えた。そして「今もこの部屋にいる。そいつだ!」とロンの方を指さす。

スキャバーズの正体

ロンが「僕じゃない!」と反論すると、シリウスは「お前じゃない!そのネズミだ!」と言ったのだ。12年も生きているなんておかしくないかと聞く。それに指も欠けていた。ハリーは、ピーター・ペティグリューの亡骸は指1本だけだった…と頭の中で点と点が繋がり、ロンにスキャバーズを渡すように言う。

嫌がるロン。するとスキャバーズがロンの手の中から逃げ出し、ルーピンとシリウスは後を追った。そして呪文をかけると、スキャバーズは元の姿、ピーター・ペティグリューへと変身する。ずっと可愛がってきたペットが偽物だったと知りショックを受けるロン。その時、スネイプ先生が入ってきた。シリウスが犯人だと思っているスネイプもまた、今にも殺しそうな勢いだ。シリウスは「お見事!その鋭い洞察力でまたも間違った答えを導き出した!」と皮肉を言う。真相を知りたいハリーは、殺されそうなシリウスをかばいスネイプを呪文で吹き飛ばした。

誤解が解けたとき

シリウスとルーピン先生はハリーに事の真相を話した。ピーター・ペティグリューはあの日、仲間を裏切り身を隠していたハリーの両親の居場所をヴォルデモートへ教え殺させた。そして指を1本だけ切り落とし死んだと思わせ、シリウスを犯人に仕立て上げたのだ。その後はロンのねずみとして今まで生きてきたと説明した。だから、「忍びの地図」に名前が出てきた。ペティグリューは、恐ろしい闇の帝王の命令に逆らえなかったと言い訳したが、仲間を裏切るくらいなら死んだ方がマシだとシリウスはブチ切れた。

一行は暴れ柳の根元の穴から外へ出た。ハーマイオニーたちが気を使ってハリーとシリウスを2人きりにしてあげる。ずっと敵だと思っていたシリウスが両親の親友だったことを知り、ハリーは嬉しかった。シリウスは、ハリーに一緒に暮らそうと言う。ハリーは驚いたが、とても喜んでいた。

牡鹿の守護霊

その時、ハーマイオニーが叫んだ。満月が出てきてしまったのだ。狼人間であるルーピン先生は満月を見るなり体が変形し始める。シリウスが止めようとするが、歯止めがきかない。その隙に囚われていたペティグリューは再びねずみに戻り逃げてしまった。その後、スネイプ先生が穴から出てきて状況を察知すると、ハリーたち3人の盾となり守る。シリウスは犬に変身し、ルーピンの気を引こうとして襲われてしまう。狼人間は、友達をも殺してしまうほど我を失い、仲間の声にしか反応しない。

シリウスを蹴散らした狼人間がハリーたちを襲おうとしたその瞬間、どこからか遠吠えが聞こえてきて、狼人間は声のする方へ行き難を逃れた。ハリーはシリウスを心配して追いかけると、湖で倒れているシリウスを発見。そこへシリウスを探していた大量のディメンターたちが襲い掛かってくる。ハリーは「エクスペクト・パトローナム」で追い払おうとするが数が多く歯が立たない。2人とも魂を吸われつづけ、このままでは危ないと思ったその時、湖の向こう側に牡鹿の守護霊が現れ、何者かがディメンターを一斉に追い払ってくれた。そしてハリーは気を失う。

逆転時計

医務室で目を覚ましたハリー。ロンは噛まれた足をケガをしていた。再び捕まったシリウスが処刑されることを知ると、ハリー・ロン・ハーマイオニーは彼が無実だとダンブルドアへ訴える。しかし、子供が言ってもみな納得しないだろうと言った。するとダンブルドアは何か思いついたような顔をして「うまくいけば、罪なき命を1つならず救えるだろう」と助言し、3時間ほど時間を巻き戻すよう伝えた。

するとハーマイオニーが「あなたは足をケガしているからそこで寝てて」とロンをその場にとどまらせると、ハリーと一緒に逆転時計で3時間、時間を巻き戻す。ハーマイオニーはこの時計をマクゴナガル先生からもらい、1度に複数の授業を受けていたのだ。

やり直した時間

2人はハーマイオニーがドラコを殴った時間に戻る。過去の自分がドラコを殴った瞬間を遠くから眺めるハーマイオニー。そこでハーマイオニーはダンブルドアの「罪なき命を1つならず救える」という言葉を思い出し、この後処刑されてしまうバックビークを助けるべく、ハグリッドの小屋へ向かった。ハグリッドの小屋には過去のハリーたち3人が既に来ている。もうすぐ魔法大臣たちがやってくる事を知らない自分たちに知らせるべく、ハーマイオニーは足元に落ちていた石を窓にめがけて投げつけた。それはハリーの頭にも当たる。

その後、魔法大臣たちがやってきてハグリッドと話をする。無事小屋の裏口から逃げ出した自分たちをハーマイオニーが見つめていると、枝を踏みつけ音を立ててしまう。それを過去のハーマイオニーが気づき後ろを振り返った。「誰かいたような…」とつぶやくが、幸い姿は見られてはいなかった。過去の自分たちが丘へ向かったのを確認すると、バックビークの鎖を解き、森の中へ逃がした。何もしらない大臣たちが小屋から出ると、今さっきまでいたはずのバックビークが居なくなっている。不思議がる大臣だが、処刑人は仕事が無くなり転がっていたかぼちゃに斧を振り下ろした。

その後、ハリーたちはバックビークを連れて暴れ柳の傍で待機した。ハリーは湖での出来事について、守護霊でディメンターから守ってくれたのはきっと父さんだと話す。そして、シリウスと一緒に田舎に住みたいと言った。そうこうしていると、暴れ柳の穴から過去の自分たちが出てくる。ルーピン先生が狼人間になると、ハーマイオニーは咄嗟に狼の鳴き声を真似した。ハーマイオニーの声に気を取られた狼人間はこちらに向かって走ってくる。後の事を何も考えてなかったハーマイオニーがハリーを連れて逃げると、すぐ傍まで追い付かれてしまう。するとバックビークが撃退してくれた。

その後、上空に無数のディメンターが集まって来たのを確認して2人は湖へ向かう。牡鹿の守護霊を見た場所から、湖の向こう側にいる過去の自分を見るハリー。ここで誰かが助けてくれたと、その誰かを待つ。しかしいつまで経っても現れない。その間にも、過去のハリーとシリウスはどんどん魂を吸い取られていく。仕方なくハリーが「エクスペクト・パトローナム」を唱えると、大きな守護霊の波紋が広がっていき、ディメンター達を追い払うことができた。あの時、ハリーとシリウスを助けたのは、ハリー自身だったのだ。

その後

ハリーとハーマイオニーはその後、バックビークに乗って城の牢獄に閉じ込められていたシリウスを助け出す。シリウスはこのまま身を隠すと言った。ハリーも一緒に付いていくと言ったが、危険過ぎるため学校に留まり学ぶよう諭す。「両親と過ごした時間はとても短いが、愛する人はいつも心の中にいる」とハリーに言い残し、シリウスはバックビークに乗って去っていった。

ハリーとハーマイオニーは医務室に戻る。医務室のドアを開けようとした時、中から出てきたダンブルドアにうまくいったと報告した。そして中へ入ると、ちょうど自分たちが過去へ戻る瞬間だった。逆転時計で居なくなった2人が、すぐさまドアを開けて入ってくると、ベッドに寝ていたロンが驚く。

その後、ルーピン先生は学校を辞任。どうやら誰かが狼人間だと周りにバラしたらしい。ハリーが挨拶に行くと、ルーピンは真実を明らかにして無実の者を救ったとハリーを褒め、「忍びの地図」をハリーへ返した。

挨拶を終え大広間へ行くと、何やらハリー宛てに荷物が届いている。中身は世界最速の箒「ファイアボルト」。誰からの贈り物だろうとハリーが首をかしげていると、「中にコレが入っていたわよ」とハーマイオニーがバックビークの羽を見せた。きっと彼に違いない。試しにハリーが箒に乗って空へ飛び立つと、あまりの早さに絶叫した。

「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」総合評価

星 4.7

 

ハリー・ポッターシリーズの中で1位2位を争うほど大好きな作品!3年生になり見た目がどんどん大人っぽくなっていく3人に驚かされました。もう何度もこの作品を見ていますが、初めて見た時はディメンターが怖すぎて、かなりトラウマになったのを今でも覚えています(笑)孤独だったハリーも、やっと心を許せるシリウスと出会えて一安心♪ 少しずつ明らかになっていく過去に、点と点が結ばれ始めましたね。ここからどんどん物語はスピードアップしていくので、是非シリーズを通してご覧いただければと思います!