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「キューティー・ブロンド」のあらすじと感想。努力は全て糧になる!!

キューティー・ブロンド

この映画から学ぶことは2つ!「自分を信じること」と「自分らしく生きる事」。

これが出来る人はどんな状況だって楽しめるし、どこだって自分の居場所に変える事ができる。見終わった後、自分も何かに挑戦してみようかな…と思わせてくれる、いわば2000年代版プラダを着た悪魔♪ 低予算ながら全米初登場1位となり、ブロンド女は〇〇といったブロンドジョークをネタにした痛快サクセスストーリー!新しい一歩を踏み出したい人に是非オススメな映画です。

悲しみを糧に

CULA(ロサンゼルス市立大学)でファッション・マーチャンダイジングを専攻しているエル・ウッズは、成績はオールAでファッションやメイクが大好きな女子の社交クラブ「デルタ・ヌー」の会長を努めているブロンドで美人な女の子。友人たちからの信頼も厚く、イケメンな彼氏、ワーナー・ハンティントン3世もいる。エルは卒業を翌年に控え、そろそろプロポーズされるだろうと心を躍らせていた。

そしてワーナーとのディナーを控えたある日、今夜こそはプロポーズされるに違いないと、とびっきりのお洒落をして彼氏を待つ。寮にいる友人たち全員からも盛大に見送られ、2人はデートに出かけていった。高級レストランのテーブルに座り料理を待っていると、ワーナーが「そろそろ将来について考えたい」と口を開く。エルは「YES」と言う気満々で身構えていたが、ワーナーの口から出たのはまさかの別れの言葉だった。思いもよらない発言に言葉が出てこないエル。ワーナーは30歳までに上院議員になるため、ハーバード大学のロー・スクールへ進学を予定しており、エルのようなブロンド女性は議員の妻にふさわしくないとエルに告げる。

その夜エルは泣きながら寮へ帰り、てっきり婚約して帰ってくると思っていた友人たちはエルを慰めた。振られたショックでしばらく何も手がつかないエルだったが、友人に気分転換のため連れてこられた美容院で雑誌を見ていると、ワーナーの兄がお世辞にも綺麗とは言えない真面目そうな女性と婚約した記事を目にする。すると、ワーナーが求めている女性像はこういう人だ!と、底抜けの明るさとポジティブな性格ですぐに気持ちを切り替え、ワーナーと同じハーバードへ行き、彼の心を取り戻す作戦を決行する。その日からエルは、友人たちの助けを借りながら必死に猛勉強に励んだ。その甲斐あって、ロー・スクール検定試験に見事合格!晴れて彼女はハーバード大学への入学が決まる。

ライバル出現

ハーバード大学の寮に入ることになったエルは、派手なファッションに身を包み引越してくると、寮の周辺にいたすこぶる地味な学生たちに宇宙人を見るような目で見られる。そんなことは全く気にしないエルは、連れてきたペットのブルーザーと共に新生活にワクワクしていた。

授業初日、廊下で偶然ワーナーに再会したエル。ワーナーはエルがハーバードに受かった事が信じられない。授業に向かう途中だったエルは、また後で話したいと軽く挨拶をしてその場を後にした。しかし、事前に出されていた課題の事を把握していなかったエル。授業が始まるやいなや、ストームウェル教授はヴィヴィアン・ケンジントンというクラスメイトへ、エルを教室から追い出しても問題ないか質問し、ヴィヴィアンが「もちろんです」と強気に答えると、そのままエルは教室から追い出されてしまった。イラつきながら構内のベンチに座るエル。

そこに、エメット・リッチモンドという男性がいた。彼はエルの愚痴を聞くと、厳しいストームウェル教授の授業をうまく攻略する方法をエルに授ける。その後、ワーナーがやってきて改めて再会を喜ぶエルだったが、ワーナーが連れていたのは先程のヴィヴィアン・ケンジントンだった。自分たちは既に婚約していると言い、立派なダイヤの指輪がはまった薬指を見せびらかヴィヴィアン。ヴィヴィアンの髪の毛はブルネットで、まさに典型的な優等生だった。

打ちのめされたエルは号泣しながら車を走らせ、目に飛び込んできたサロンへ入る。喚きながら空いていた席へ着くと、ネイリストのポーレットが話を聞くと言って優しく声を掛けてくれた。そしてエルは全ての胸の内をぶちまける。同情するポーレットだったが、彼女もまた8年一緒にいた彼氏が浮気して出て行ったうえ、愛犬まで連れていかれてしまい落ち込んでいた。2人はお互いを慰め合い、次第に親交を深めていく。

新たな目標

ワーナーの婚約者ヴィヴィアンはこの日以来エルを目の敵にしており、授業での課題作業も露骨に仲間外れにしていた。そんなある日、ヴィヴィアンが友人とパーティーの話をしている最中にエルがたまたま通りかかり、パーティーが大好きなエルは自分も行きたいと願い出る。悪知恵を働かせたヴィヴィアンが「でもコスプレパーティーよ?」と嘘をつくと「コスプレ大好き!」と無邪気に答えるエルを騙し薄笑った。パーティー当日、バニーガールのコスプレをしたエルが会場へ到着すると、みんなから笑いものにされる。流石に頭にきたエルはヴィヴィアンと真っ向勝負で戦うことを決意した。

現地にはワーナーも来ていたため軽く話をするエル。大学では、キャラハン教授の講義で成績優秀生徒の上位4名が実際の裁判に立ち会うことができるインターンシップ制度があり、その座を何とか勝ち取りたいとワーナーに話すと、ワーナーは君には無理だよと笑った。この態度にブチ切れたエルは、ワーナーを取り戻す目標を改め、一流の弁護士になることを誓う。エルは再び猛勉強を始め、浮いてばかりだった授業にも少しずつついていけるようになっていった。そして、すっかり仲良しになったネイリストのポーレットを助けるべく、彼女の元彼のトレーラーへ突撃訪問し、弁護士らしい口調でまくしたてて愛犬を取り戻すことに成功する。

依頼人

キャラハンの授業では、インターンシップ生に選ばれるため、積極的に意見を述べてワーナーやヴィヴィアンたちと競っていった。元々優等生だった2人とは違い、自由なライフスタイルのエルならではの視点で教授をうならせ、見事エルはインターン生に選ばれる。2人もインターン生として選ばれていたが、驚くワーナーとヴィヴィアンに皮肉たっぷりにエルは挨拶した。

そしてハーバード大学の教授の傍ら、弁護士として自身の法律事務所を持つキャラハンは、現在担当している事件をインターン生と共有する。すると、授業初日にエルを助けたエメットもこの事件を担当していることが分かった。この案件は、ブルック・ウィンダムという女性による夫殺害の容疑を弁護するもので、エルは容疑者の名前を聞くなりやる気に燃えていた。このブルック・ウィンダムという女性は、フィットネス界においてカリスマ的存在であり、大学時代にエルが所属していたクラブ「デルタ・ヌー」の先輩でもある。エルにとっては彼女こそ神であり、富と名声を築いた女性が殺人など犯すはずはないと無実を確信していた。

しかしブルックは34歳も歳の離れた大富豪の妻で偏見を持たれやすく、殺害を否定してはいるものの、その証拠やアリバイを一切語ろうとしない。一方の原告側は、ブルックの夫殺害を目撃したと義理の娘が主張している。これにはキャラハンも頭を抱えていた。

ヴィヴィアンとの和解

エルは収容中のブルックへ面会に行き、再度アリバイを聞き出す。しかしブルックは頑なに拒否。エルは自分も「デルタ・ヌー」の出身者であり尊敬していると話し、ブルックの緊張をといた。ブルックは誰にも言わないことを条件に、事件当日の出来事をエルに話す。

話によると、ブルックは夫が殺害された時刻に脂肪吸引へ行っていた。努力による完璧なボディだと尊敬していたエルは、その事実を聞きショックを受ける。ブルックは、今エルがした反応と同じように、事実を知った人たちが失望し、名声に傷がついてしまうことを恐れて何も言えなかったのだ。エルはそんな彼女を守るため、決して口外しないことを約束する。

キャラハンの事務所に戻ったエルは、ブルックから確たるアリバイを聞き出したとみんなに伝えた。しかし、その内容を頑なに言わないエルに教授は怒り心頭。仕方なくエメットはエルを連れて殺害された夫の元妻の家を訪ねた。

そこで、娘(元夫との子)はブルックのことを良く思っていなかったと証言を得る。そんな事務所でのやりとりを見ていた宿敵ヴィヴィアンは、クライアントとの約束を厳守するエルを見て、彼女への見方が変わってきていた。その夜、エルの部屋を訪ねたヴィヴィアンは、エルの毅然とした態度に感銘を受けたと褒め称える。そして、過去の行いを詫び、ワーナーは政治家である父親の助けがなければハーバードに入れていなかったと暴露し、2人で笑いあった。

ショックな出来事

公判の日。プール係のサルヴァトーレという男が、自分はブルックの愛人であると主張している。被告側の反対尋問の前に一旦休憩を挟むと、エルは公共の水飲み場の列に並んだ。しかし原告証人のサルヴァトーレが横から割り込む。露骨にイラついた態度を取ったエルに、サルヴァトーレが「ちょっとくらいいいでしょ!去年のプラダ履いてるくせに」と食ってかかった。それに疑問を持ったエルは、エメットへ彼はゲイに違いないと主張。エルが履くプラダの靴が去年のモデルだと知っている男はゲイくらいだと確信をついた。

エルの言葉を信じエメットが反対尋問を始める。リズムよく質問していき、最後の質問で「あなたの彼氏の名前は?」と言うと思わずサルヴァトーレが男の名を口にする。動揺する証人が必死に否定すると、傍聴席にいた男が泣きながら外へ出ていった。その男に向かってサルヴァトーレが「待って!あなたを愛してる!」と思わず口ずさんでしまい法廷がザワつく。すかさずエメットがゲイがブルックの愛人であることはありえないと反論し、公判はここで一旦終了。この日はかなり有利に進んだとご満悦のキャラハンだった。

そしてその夜、エルを自分の事務所に呼び出し法廷での件を褒めた。するとキャラハンの手がエルの脚へと伸びる。キャラハンはエルへ自分の事務所でのポジションを与える条件として性的関係を迫ってきた。そこへお茶を入れに現れたヴィヴィアンが2人のやり取りを目撃してしまう。ヴィヴィアンは、エルがキャラハンに色仕掛けしてインターン生になったんだと勘違いし、エルを罵った。キャラハンの行為とヴィヴィアンの言葉にショックを受けたエルは、インターンシップを諦め大学も辞めるとエメットに言い残し出て行ってしまう。

勝ち取った勝訴

再び泣きながらサロンへ向かい友人のポーレットへ愚痴るエル。ネイルをやってもらいながら「誰も私のことを見てくれない」と号泣した。すると、近くに座っていた女性が振り向き「たった一人の愚か者のために諦める程度なら、あなたをかいかぶっていたようね」という。その女性はなんと、授業初日に教室からエルを追い出したストームウェル教授だった。教授は指にはめた指輪をエルに見せる。その指輪は、クラブ「デルタ・ヌー」の会員の証であり、彼女もまたエルの先輩だったのだ。翌日、エメットはヴィヴィアンを連れ、ブルックへ面会しに行く。すると、なぜエルがいないのか聞いてきたブルック。エメットが、キャラハン教授のセクハラのせいで辞めたと説明すると、ヴィヴィアンは事実を知って自己嫌悪に陥った。ヴィヴィアンはその後、エルに心から謝ると、エルは彼女を許した。

そして公判が始まると、ブルックは法廷でキャラハンを解雇すると宣言し、エルを代わりに弁護人にする。ブチ切れるキャラハンは法廷から追い出された。キャラハンに代わったエルは、夫の連れ子チャトニー(ブルックの義理の娘)へ反対尋問をする。事件当日の行動について質問されたチャトニーは、美容院でパーマをかけた後に帰宅してシャワーしていたから銃声は聞いていないと主張する。そしてシャワーが終わり浴室から出ると父が死んでいたと話した。それに対しエマがたたみかける。エマはパーマをかけたら24時間は髪を洗わないのは常識であり、今まで何度もパーマをかけてきたチャトニーがそのことを知らないはずがないと言い切った。チャトニーの髪の毛にしっかりカールが残っていることから、髪を洗っていないのは明らかだと。動揺したチャトニーは、自分と同世代の女と結婚した父が許せず撃ったと思わず自供し、裁判はブルックの無罪で一件落着した。

報われた努力

見事勝利をおさめたエルが法廷を出ようとした時、ワーナーがエルを呼び止める。「僕が間違っていた。君こそ僕が理想とする女性だ」とエルへ復縁を求めると、「30歳までに自分の法律事務所を持ちたいから、アホな彼氏はお断り♪」とエルは笑顔でワーナーを振った。

2年後、エルはトップクラスの法律事務所からオファーを受け、卒業生代表として卒業式でスピーチする。ヴィヴィアンはワーナーと別れ、エルと親友になった。ワーナーは就職先も見つからず彼女もいない上にギリギリでの卒業。友人でありネイリストのポーレットは、好意を寄せていた配達人の男性と結婚し子供を妊娠。そしてエメットは、この2年でエルと交際を続けており、この日の夜にプロポーズを計画している。エルは卒業生代表のスピーチを終わらせると、友人や恩師たちに感謝をし、「We did it!」と言いながら帽子を投げた。

「キューティー・ブロンド」総合評価

★4.7

なんだか少し安っぽいタイトルのせいか、名前を聞いただけでこの映画を見たい意欲が掻き立てられることはなさそうですが、これは本当にオススメ映画の1つです。

エル・ウッズ役のリース・ウィザースプーンが、おバカなブロンド女と、頭がキレる賢い女性の2面性を上手く演じており、主人公のキャラがとても引き立っています。ピンクやキラキラした雑貨、お洒落なファッションなど、女の子は見てるだけでワクワクしてくるはず!

何度見ても飽きのこないこの映画ですが、弁護士になったその後の生活を描いていた続編「キューティ・ブロンド/ハッピーMAX」も出ているので是非ご覧ください♪