映画

「オールド」のあらすじと感想。このビーチ、何かがおかしい…。

オールド

プライベートビーチでのバカンスが一転、恐怖のサバイバルに!

リゾートホテルを訪れた家族たちに降りかかる恐ろしいビーチの”秘密”。

あの有名なサスペンスホラー映画「シックスセンス」で知られるM・ナイト・シャラマン監督が手がけた作品で、不気味に進んでいくテンポの良い展開と視聴者参加型と言わんばかりの謎解きストーリーが見どころのサスペンス映画です。

秘密のプライベートビーチへ「特別に」ご招待

キャパー一家は旅行でリゾートホテルを訪れていた。父親のガイ、母親のプリスカがウェルカムドリンクを堪能していると、ホテルのマネージャーの甥イドリブが娘のマドックス、息子トレントに話しかけてくる。”友達が出来ない”というイドリブにトレントは快く友達になり、そこから2人は暗号で手紙を交換しながら友情を深めていった。

その後、家族で食事をとっているとホテルのマネージャーが現れ、近くにある秘密のプライベートビーチに特別に招待すると言う。特別だから他の宿泊客には言わないよう念を押され家族は話し合った結果ビーチへ行くことを決める。

翌日家族が用意されたバンに乗って待っていると、他の家族が一組乗り込んできた。ガイは自分たちだけが特別というわけではなかった事に少々ガッカリするもあまり気には留めなかった。その後ろでトレントはイドリブからの手紙がリュックの上に置かれていることに気づくが、後で読もうとポケットへ入れ、二組を乗せたバンは出発する。

バカンスのはずが

しばらくして”進入禁止区域”のゲートを抜けた先でドライバーが車を停め、ここから先はビーチまで歩いて行くよう言い残しホテルへ引き返す。

大きな岩を抜けた先にはエメラルドグリーンの綺麗なビーチが広がっていた。

一緒にビーチへやってきたもう一組の家族は、チャールズ、妻クリスタル、娘カーラ、チャールズの母アグネスの4人。到着するや否や母のアグネスがクリスタルに体調不良を訴えるが、旅の疲れだと思い大して気にとめなかった。

一方マドックスは岩陰にいる男性に気づき、それが有名なラッパー(ミッドサイズ・セダン)であると大興奮!各々好きに時間を過ごすなか、トレントがビーチで楽しんでいると女性の遺体が流れてきて状況が一変。その女性はセダンの知り合いだった。泳ぎに行くと言ったまま戻らなかったと。自分は殺していないと関与を否定するセダン。

そこに遅れてジャリンとその妻パトリシアのカーマイケル夫妻がビーチにやって来た。彼らへ状況を説明し警察へ通報しようと試みるも圏外だったため、仕方なく来た道を引き返そうとすると突然激しい頭痛に襲われ意識を失ってしまう。

異常なまでの時間経過の速さ

その後クリスタルが叫びながらアグネスの意識がないと夫チャールズの元へ駆け寄ってきた。急いで彼女の元へ向かい蘇生を試みるが亡くなってしまう。母を失ったショックからなのか、チャールズは意味不明な言葉を繰り返していた。その時、プリスカは水着がキツそうなトレントを見て少し不思議に思うも特には気にせず放置していると、マドックスとトレント兄弟は11歳と6歳とは思えない程大きく成長していた。見た目はもはやティーンエイジャー。ここで母のプリスカはようやくこのビーチが何かおかしいと思い始める。

不可解な出来事が次々と起こる中、混乱したチャールズが女性を殺した犯人はセダンだと言い張り彼の顔をナイフで切りつけてしまう。手で切り口を覆い痛がるセダンだったが、手を離すとなぜか傷は完治していた。不思議に思うも彼は一旦冷静になろうと亡くなった知人女性の元へ歩み寄ると、なんと女性は既に白骨化していた。

博物館勤務のプリスカは少なくとも地上に横たわった人間が白骨するまでには通常7年はかかると主張し、アグネスの急死・子供の異常な成長・傷が治る速さ・先程死んだ女性が白骨化したことからして、この島は通常よりはるかに時間の進みが早いことを突き止める。

子供たちは思春期に、そして大人にも老いが迫る

ビーチでの30分は1年分に相当し、24時間経つと50年分という早さ。

大人は歳の変化が分かりづらいが、子供はあっという間に成長が目に見える。

6歳だったトレントとまだ赤ちゃんだったカーラは思春期となり、恋に落ちた彼らは男女の仲になった。2人の姿が見えず心配したガイとプリスカが探し回ると、なんとそこには既にお腹が大きいカーラがいた。妊娠していたのだ。

ビーチでの30分は通常の1年。すぐにお産が始まり無事に生まれたが、赤ちゃんはこのビーチ特有の環境に適応できず亡くなってしまう。

悲しみに暮れるカーラは崖を素手でよじ登り脱出を試みたが、結局途中で意識を失い転落死してしまった。

このビーチから早く脱出しなくては!

ジャリンは岩がダメなら海を泳いで行くと言い一人先に沖へ向かったものの、途中で意識を失ったのか、しばらくして遺体が波に押し戻されてきた。

ショックを受ける妻パトリシアだったが、彼女も持病のてんかんが悪化し発作で亡くなる。
更には、チャールズは元々精神疾患を抱えており、妄想が悪化したのかセダンを殺害してしまうのだった。アグネスを亡くした際の意味不明な言動は、この精神疾患の初期症状だったのだ。

ついに両親までもが

次々と人が亡くなり静かになるビーチ。

ガイの目はほとんど見えなくなり、プリスカも耳が遠くなっていた。

そんな中2人が寝ていると、ナイフを持ったチャールズが錯乱した状態で今度はガイに襲い掛かってきた。プリスカは急いで子供たちを遠くへ逃がした後、浜辺に落ちていた錆のついたナイフでチャールズの腕に切り傷をつけ、チャールズは錆による破傷風で亡くなる。

一方、子供たちは逃げる途中でかつての犠牲者が残したノートを見つけた。そこには「ビーチを囲んでいる鉱石のせいで老化が急速に進む」ことと「何者かに監視されている」事が記されていたため問題の岩を進むと、暗闇の中から子供を失った悲しみで泣きじゃくるクリスタルが現れる。

彼女は錯乱状態で兄弟たちに襲い掛かるも、低カルシウム血症で全身の骨が折れ亡くなった。

そして遂にキャパー一家のみとなったビーチ。家族水入らずでほんのひと時を過ごし、ガイとプリスカは子供たちに見守られながら老衰によっておだやかに最期を迎える。

脱出の鍵は最初からあった

残すマドックスとトレントもすっかり中年になってしまい、夜明けに誰もいないビーチで途方に暮れていた。トレントはイドリブから出発前にもらった手紙を思い出しポケットから取り出すと、そこには暗号で「叔父さんはサンゴが嫌い」と意味深なメッセージが書かれていた。あたりを見渡すと沖合の方にサンゴの塊があり、きっとそこが出口だと確信したトレントはマドックスを連れ、2人でサンゴの方へ向かう。

近くに来ると、そこにはサンゴで出来たトンネルがあった。
水中にあるそのトンネルを抜けるべく思い切り息を吸い泳ぎ出すが、途中マドックスの服がサンゴへ引っかかってしまう。先に進んでいたトレントは引き返し助けようとするも、なかなか引っかかった服が外れない。。二人とも息の限界が近づいていた…。

すると突然、その様子を見ていた一人の男性が「治験失敗」と何者かに連絡する。

全ての黒幕

その電話の相手はホテルのマネージャーだった。

実はこのホテルは大手製薬会社の秘密研究所となっており、裏で製薬会社による実験が行われていたのだった。

処方箋のレシートにホテルの広告を掲載し、やってきた人たちにウェルカムドリンクと偽り新薬を飲ませ、経過観察をする。通常なら何年もかかって集める治験データが、このビーチではたった1日で可能だからだ。

亡くなった人たちのPCから証拠を消し去り、マネージャーはホテルのロビーでまた新たな宿泊客(ターゲット)を出迎える。

その時、サンゴに引っかかり溺死したと思われていたマドックスとトレントが姿を表した。二人は何とか脱出に成功していたのだ。

その後、現地にプライベートで宿泊に来ていた警察官に全ての証拠を渡し、名前が上がった全員が行方不明者である事が判明したことから関係者全員が逮捕され、事件は一件落着。

「オールド」の総合評価

星 3.7

最初、イドリブの存在がなにやら鍵になりそうな予感がしましたね!

友達が出来ない理由を「仲良くなっても戻って来ない」と悲しそうに話すシーンでは、休暇が終わると家に帰ってしまうからだと思ってましたが、あのビーチから戻って来ないって意味だったんですね~。直接渡されなかった手紙も何かの伏線であるような気がしてならなかったので、脱出の鍵だった時にはちょっとスッキリ(笑)

また、実はビーチまでの移動に使ったバンの運転手役は、監督ご本人様なんですよ!

監督自ら自分の映画にちょい役出演するなんてお茶目ですよね!

あとは、個人的に残念だった点が、なぜ鉱石で急激に老化が進むのか原因が謎のままだったことですかね。そこはミステリーとして処理されてしまったのかもしれませんが、とても気になります…。

そして何よりクリスタルの死に方がとてつもなくエグい!!!本当、まるでホラー(泣)
目を閉じたい気持ちをグッと堪え何とか持ちこたえましたが、私と同じくホラー系が苦手な方はこのシーンは目を閉じ、過ぎ去るのをじっと待つことをオススメします(笑)

全体的にはテンポの良いストーリー展開で、これから何が起こるのだろう…というわくわく感もあり、誰かと一緒に見て考察しあったりすると楽しいかもしれません♪
もちろん、一人で観ても楽しめる映画となっておりますのでご安心ください!