今までのパニック映画では、隕石等が地球に接近し人類が滅亡の危機に陥るといった映画が多かったイメージですが、まさか地球の核(コア)がある日突然停止するなんて誰が想像するでしょうか(笑)
始まったかと思いきや人がバタバタと倒れはじめ、街に居た鳩が大暴走。
一体何が起こっているのか、これはホラー映画なのか…?ホラーが苦手な私は再生ボタンを押した事をちょっと後悔しました(笑)
しかし、最後まで見てみると大満足の作品!
「アルマゲドン」や「ディープインパクト」などに比べるとあまりメジャー視されていない本作ですが、出演者は豪華俳優陣となっていますので、是非1度観てみてください♪
世界中で起こり始めた異常事態
ある日突然、32人の一般市民が「同時に」死亡する異常事態が起こる。
アメリカ国防省のパーセル将軍は、シカゴ大に勤務する地球物理学者のジョシュ博士とその友人で核エネルギー学専門のサージ博士を呼び出した。
再会を喜ぶジョシュとサージは話が盛り上がり、気づくと遺体が並べられた部屋にいた。パーセルは驚く彼らに大勢の人間が一瞬で死亡した事を話すと、ジョシュは「原因はペースメーカー」だと見事に言い当てる。
彼は、自分が地球物理学者であることと、サージが核エネルギー学の博士である事を考慮し、原因は1つしかないと思ったのだ。
続いてパーセルは2人にこの事態がテロであるかを聞いたが、違うというジョシュの言葉を聞くと早々に部屋を後にした。
翌日にはロンドンのトラファルガー広場周辺で大量の鳩が暴走し、街は混乱。
その後、スペースシャトル「エンデバー号」が誘導装置のエラーで危機に瀕する。
墜落の危機
宇宙でのミッションを終了し、地球へ帰還しているエンデバー号。
しかし、大気圏を抜けた後にトラブルが発生。誘導装置はきちんと作動しナビゲートしていたものの、何度も飛行訓練やミッションをこなしてきた海軍中佐アイバーソンはコースから外れていると主張する。
NASAからもコース逸脱の連絡が入り、このままでは大都市に突っ込んでしまう緊急事態であることが判明。同乗していた空軍少佐のレベッカ(ベック)は即座に計算し、練り出した不時着場所をアイバーソンに伝え何とか機体を着陸させる。
一方、大学で学生達と多発する異常事態の調査をしていたジョシュは、先日ロンドンで起きた鳩の大暴走に着目し、鳥が長距離を移動する際に内耳にある磁場を利用して飛んでいることを思い出す。ペースメーカーの件も踏まえ、地球の磁場が関係していると突き止めるのだった。
地球滅亡危機の現実
ジョシュは自分が導き出した答えを伝えるべく、地球物理学の権威であるジムスキー博士の元を訪れた。伝えた内容は「地球滅亡」。しかし、資料に目を通したジムスキーは、そんな事はありえないと彼を笑い飛ばす。「今に分かる」と言い残しジョシュが帰ると、ジムスキーは”極秘ファイル”を棚から取り出しパーセルに電話をかけた。
その夜ジョシュがバーでサージとお酒を飲んでいると、シークレットサービスが現れ同行を求められる。着いた先では国家の重鎮達が待ち構えていた。
ジョシュは1年以内に全人類は滅亡し、微生物1匹残れない世界になることを伝える。
困惑する現場で彼は近くにあった果物を手に取り説明をしだした。
果物の皮が地殻、果肉がマントル、種が核(コア)とし、そのコアは液体で満たされておりある一定の速度で回転し続けていること。この回転が磁場を形成し、宇宙放射能や太陽風から地球を守ってくれていることを伝え、昨今の異常事態の原因はそのコアが停止したことによる弊害であると断言した。
地球のバリア機能が失われ始めた今、3ヶ月後には全ての電子機器がイカれ、静電気放電によるパワーストームが起こる。そして地球は放射能に晒され、太陽風により海は沸騰し、やがて焼き尽くされてしまう。つまり、地球滅亡である。
特殊船体「バージル」
最悪な事態を回避する方法を聞かれるも、そもそも地下3,200kmに行く手段もなく不可能だと言い切るジョシュ。
「それがあるとしたら?」とジムスキーは言い、彼の”知人”でもあり掘削のペシャリストであるブラズルトン博士の元を訪れることになる。彼はかつてジムスキーと共同研究を行っていた人物だったが、自分一人の手柄のような論文発表を行った事がきっかけで犬猿の仲となっていた。もちろんジムスキーの訪問を歓迎しなかったが、現在開発中のものを見せて欲しいと言われ、渋々中へ案内する。
そこには特殊なレーザーで岩場に巨大な穴を空ける装置と、5000℃の熱にも耐えられう上に熱をエネルギーに替える超合金「アンオブタニウム」があり、これを使ってコアまでの移動手段を作れると見込んだ彼らは、ブラズルトンに3ヶ月で完成させるよう命令し、特殊船体「バージル」の開発が始まった。
新たな仲間
地球滅亡の危機にさらされ、これから壮大なミッションをこなす国家の重大なプロジェクト。情報が外に漏れて全世界の人々がパニックに陥らないよう、情報管理と状況把握の為に雇われたのは過去に何度も逮捕歴のある最強ハッカー「通称:ラット」。過去のハッキングによる不正行為の責任を問わない条件を与え彼も任務に参加した。
その頃ベックはスペースシャトル不時着の件での審議委員会に出席。以前に叔父のパーセルよりシャトルをダメにした責任で出世は諦めるよう匂わされたが、実際は最悪の事態を回避した功績を称賛され、シャトルの操縦士であったアイバーソンと共にミッション参加を言い渡される。
その後、ジョシュ・サージ・アイバーソン・ベック・ジムスキー・ブラズルトンの6名は記者会見を開き、今後の計画をメディアに報告した。
それぞれの役割
ミッションまでの3ヶ月の間、バージル号の制作は急ピッチで進められた。
その間、ブラズルトンは設計、ジムスキーはコア再稼働の為の必要な弾薬料の計算、ジョシュは分厚い鉄の向こう側を映す為のカメラ調整、アイバーソンとベックは操縦訓練と、各自の役割をこなす。
実際に地中へ行く際の操縦シミュレーションも行われたが、何度やっても失敗。
1人残って練習をするベックだったが、中々成功せず頭を抱えているとそこにアイバーソンがやってきて、ベックに「君は完璧すぎる」と忠告する。「リーダーというのは技術だけでなく時に辛い選択を迫られる。私はシャトルを不時着させ笑い者になった。敗北を知らない君にリーダーは無理だ」と助言。
そうこうしている内に状況確認をしていたラットの顔が曇る。
恐れていたスーパーストームがローマで発生し街は壊滅状態となっていた。
急いで船を完成させねばならない。
いざ、未知の世界へ
ついに完成したバージル号へ乗り込み、天才6名は地中へ出発。
まず海へ入るとソナーに反応があり、船体から出される超音波でクジラの群れが歌っていた。微笑ましい光景に緊張で張り詰めた空気が和んだが、それも束の間。
海底地震が起こり渦に飲み込まれた船体が海底に激突するピンチに早速見舞われる。
地面スレスレで何とかレーザーを照射するとこができ、最初の難関であった地中に潜ることに成功した。
その後も掘り進み、なんとかマントルまで到着。レーダーで障害物を避けながら更に奥深くへ潜っていく。するとベックが何やら黒い物体を見つけた。それはなんと「空洞」だった。
計算にはなかった緊急事態。避けようにも大き過ぎて進むしかなく、全員一斉に着席して落下の衝撃に備える。そしてバージルは落下。全員無事ではあったが、何らかの障害物が船体に刺さっていた。撤去すべく、アイバーソン・ジムスキー・ブラズルトンが外へ出ると、そこには一面水晶の世界が広がっていた。船体に刺さっていた物体は水晶だったのだ。
アイバーソンの死
ブラズルトンは水晶の切断を始める。
そうこうしているうちにバージルが落ちたせいで「空洞」に穴があき、中に溶岩が侵入してきてしまった。すこしずつ崩壊が始まり、水晶の破片が降り注ぐ。すると切断していた機械が衝撃で壊れた為動かなくなってしまう。迫り来る溶岩。酸素で動いていたその機械を動かすべく、ジョシュは自らの耐熱スーツに通っていた酸素の管を機械につなげると無事動き始めるが、ジョシュは酸欠になり倒れてしまった。
そして切断が完了し急いで船内に戻ろうとした時、水晶の破片がアイバーソンの頭部を直撃し、そのまま彼は溶岩の中へと落ちて行くのだった…
船体の入口付近まで溶岩は迫っており、今すぐドアを締める必要があったが、アイバーソンの死にショックを受けたベックは「今すぐ扉を閉めろ!」というブラズルトンの声が耳に入らない。何度も叫び続け、ベックはようやく出発することが出来た。ジョシュは船内で意識を取り戻し、そこでアイバーソンの死を知らされた。
サージの死
ミッションは2日目に突入しマントルからコアの境目までやって来た時、次なる障害物「ダイヤ」が目の前に広がっていた。
避けて通ろうとするが船体の一部が損傷。そこで作業していたのはジョシュ・ブラズルトン・サージの3名だった。いくつかのセクションに別れている船体は、損傷を受けると他の部分を守るために自動的に封鎖され切り離される仕組みとなっていたため、慌てて外へ出ようとする3人。
すると、サージは急に向き直り計算をまとめたノートと核弾頭のタイマーを取りに戻った。ドアは既に閉じ始めている。早く戻れと叫ぶジョシュだったが、結局サージは脱出に間に合わず、必死に守ったノートとタイマーをジョシュに託すと扉は完全に閉じた。
すかさず強制解除をするようベックに指示するジョシュだったが、全員が危険だとジムスキーに止められベックは踏みとどまった。カメラ越しに励ますジョシュだったが、損傷した船体は圧力に耐えられなくなり、サージはジョシュの目の前で圧死した。
操縦室へ行き「あの時すぐ解除してくれていれば助かったのに!」と彼の家族写真をベックの前に突き出しジョシュは責めた。
コアが停止した原因
35時間が経過し、バージルがコアの外殻に到達すると急に速度が上がり始める。
コアの密度が想定よりも小さかったのだ。すぐさま正しい数値で計算し直すと、持参した核弾頭では衝撃が足りない事が判明した。
ジムスキーは国防総省のパーセルにミッション失敗の連絡を入れ、デスティニー計画を実行するよう伝える。説明を求める仲間たち。
デスティニーは強力な電磁波を地中深くの断層へ発射し人工的に地震を起こす兵器だった。
敵国の制作を探知したアメリカは何としても先に完成させるべく実験を行ったところ、コアが停止してしまったのだ。デスティニー作戦とは、止まった心臓を動かす為に電気ショックを与えるのと同じように、もう一度デスティニーを使いコアへ衝撃を与え再稼働を促すというものだった。既に大統領命令が出ており、避けられない事態。
デスティニー計画を阻止せよ
ジムスキーはそんな事をしたら今度こそコアが致命的に不安定となり火山が一斉に噴火すると言い、周りは大反対。パーセル将軍はベックに帰還を命令しますが、多数決の結果残ることにすると言い、命令を拒否します。
自殺行為だとすかさずキレるジムスキー。
暴れるジムスキーに今までの不満が爆発したブラズルトンは彼を1発殴り黙らせる。
すったもんだの後ろでラットが世界の状況を観測していると、とうとうサンフランシスコの電磁場が破れてしまう。破れた箇所から太陽風が降り注ぎ海が沸騰。橋や車も大破し壊滅状態となっていた。その様子を見ていたパーセルは、このままではデスティニーの電力を確保出来なくなると作戦の即実行を求めた。
ラットは暗号を使って状況をジョシュに伝える。
「時間を稼げ」と指示し、ラットはデスティニーへのハッキングを試みるのだった。
ミッション遂行の為に
目を覚まし冷静さを取り戻したジムスキー。
彼は核弾頭を時間差で連続して爆発させ波の干渉効果を使い衝撃を増やす作戦を思いつく。
バージルの区画ごとに核弾頭を1個ずつセットして切り離し、タイマーで爆発させる計画にジョシュやブラズルトンも賛成するが、ここにきて大きな問題が発覚した。
区画の切り離しは損傷で自動的に作動するよう設計されているが、手動で切り離すには油圧装置を強制解除しなければならない。そしてその装置は5000℃もある回転翼に繋がる通路に設置されていた。持ってきたスーツの耐熱温度はその半分程しかなく、行ったら帰って来られない…。
おみくじでブラズルトンに決まったが、彼が小細工したことに気づいたジムスキー。ジョシュはもう1度やり直そうと言うがブラズルトンはそれを拒否。「これに人生の全てをかけてきた。それで死ねるなら本望だ」と言い強く志願する。
ブラズルトンの死
仲間にお別れの挨拶をしているブラズルトン。それを少し離れた場所で物言いたげに見ているジムスキー。見かねたブラズルトンが声をかけると、ジムスキーは辛そうな面持ちで近づき2人は仲直りをするかのごとく熱い握手を交わした。
そして回転翼通路へ。
扉が開くと持っていたレンチが一瞬で溶ける程の熱風が彼を襲った。少しずつ足を進め何とか気力で油圧装置の強制解除に成功。ブラズルトンはその場で命を落とした。
最後の仕事
一方の地上ではデスティニーの発射準備が整いパーセルがGOサインを出してしまう。
ミッション遂行に協力していた全員の反対を押し切ったパーセルに、オペーレータの女性は「くそったれ」と言い放つ。ラットはなかなかファイヤーウォールを突破出来ず焦りからか泣きながら必死にキーボードを叩いていた。しかし発射まで残り数秒となったところで何とか突破出来たラットは、電力を他の場所へ送電し阻止に成功する。
残すは核弾頭による爆破のみ。
ブラズルトンのおかげで区画の切り離しが可能となった今、ジョシュ・ジムスキーが核弾頭のタイマーをセットし、操縦しているベックが切り離しを行っていた。
最後の1つのセットを終えて脱出した際、誤差を計算していない事に気づいたジョシュ。
急いで戻るも元々足りないと訴えるジムスキー。その時船体が大きく揺れ、ジョシュが倒れてきた核弾頭の下敷きになってしまう。寸分の狂いもなく核弾頭を投下しなければならない状況で脱出の時間が迫っていた。
◆最後の手段
切り離しを待って欲しいと叫ぶジムスキーだったが、通信装置の故障なのか彼らの声はベックに届いていなかった。ジョシュはもう時間がないと後をジムスキーに頼み、申し訳なさそうに彼が脱出をしようとした時、船体が再び大きく揺れ今度はジムスキーに向かって倒れた来た。同じく助けようとするジョシュだったが切り離しの時間が来てしまう。
ジムスキーはすぐさま脱出するようジョシュへ言い彼を外へ逃がした。モニター越しにジムスキーが足りない分はバージルの燃料(プルトニウム)を使うようジョシュへ伝え、区画が切り離される。ジムスキーの言葉をしっかり受け取ったジョシュはすぐさま船体の動力である燃料棒を抜きバージルは停止した。
真っ暗になった船内。何が起こったのか分からないベックにジョシュが説明する。
動力を失ったため自分達も地上へ戻れなくなった事を謝るジョシュだったが、きっと自分でもそうしていたと彼を励ますベック。電源が落ちたバージルは船内の温度が上昇し2人は意識が朦朧とするまま爆発までのカウントダウンを待っていた。
コアが再び動き出す
その時、ジョシュが何やら閃いた。このバージルを作ったアンオブタニウムという物質は、熱をエネルギーに替える性質がある事を思い出したのだ。すぐさまベックと協力し船内の回路を繋げ直すと、見事コアの熱により電源が入った。あとは爆発の衝撃を待つだけ。
セットした核弾頭が順番に爆発を繰り広げゆき、最後の1個が爆発するとコアが再び動き始めた。6名の天才達の努力と犠牲によりミッションは無事成功した。それと同時に各地で地震が起こり始め、ラットは「地球が自分で自分を直し始めた!」と大興奮。
一方のバージルは、最後の爆発の衝撃で思いっきり押し出されていた。火山の噴火のごとく物凄い勢いで流され、そのまま海底へと出る事ができた。
しかしそこは冷たく暗い海の底。船体が冷えたバージルは再び停止する。
通信手段もなく助けを呼ぶこともできない。
世界を救った6名の天才たち
その頃、彼らの捜索にあたっていた海軍船のソナーに何やら反応があった。彼らが見つかったのかと思われたが、それはクジラの群れだった。もうこれ以上探しようがないと諦めて引き返そうとした時、ラットが何やら閃き「クジラを探して!」と叫ぶ。
彼はクジラがバージルから発せられる超音波に反応している事を思い出した。反応があった場所へ船を進めるとクジラの群れが1箇所に集まって泳いでいる。ジョシュとベックはクジラのお陰で助かった。
その後、地球滅亡の危機は去りこの騒動は極秘扱いとして闇に葬られたが、ラットにより全世界のネットワークがハッキングされ、今回地球を救った英雄達の功績が知れ渡るのだった。
「ザ・コア」の総合評価
星 4.3
極秘に開発した秘密兵器「デスティニー」を実験したら地球が壊れちゃった!なんてとんでもない原因でしたね(笑)
現実世界では起こらないで頂きたい…。
今までとは一風変わったストーリー設定でワクワクしながら見れましたし、展開もテンポもよく最後まで飽きずに見られました!
個人的には、ジョシュとベックは恋仲になるのでは?と思っていましたが、健全に終わってしまい少し寂しいです(笑)
しかし全体を見るとほんと豪華俳優陣で、なぜメジャーな部類に入っていないのか謎なくらいです。だからこそ、逆にこの映画を見て誰かにオススメ出来たら、ツーな人間として見てもらえるかも…?なので、是非一度ご覧ください!